Every one knows what attention is. It is the taking possession by the mind, in clear and vivid form, of one out of what seem several simultaneously possible objects or trains of thought. Focalization, concentration, of consciousness are of its essence... - W. James, The Principles of Psychology (1890)
(注意とは何であるかは誰でも知っている。それは同時に立ち現れ得る事物や一連の思考の中から一つだけに対して、はっきりとした明白な形で精神を集中させることである。意識の収斂および集中こそがその本質である・・・W.ジェームズ)
我々は注意なしには生きることはできません。なぜなら、我々の知覚的体験から記憶に至るまでのもろもろが常に注意によって与えられ、なおかつ縛られているからです。私自身の信条としては、注意というものは決してヒトの知覚的プロセスの枠組みを与えるのみならず、ヒトの意識や自己認識プロセスをも外界との相互作用を通じて具現化させるものであろうと考えています。そもそも、植物の根ですら水に対して「向かう(orient = paying attention to)」のです。この事実は、注意とは何であるかを知ることが、実は我々は何者であってどこから来て、そしてなぜここにいるのかを知ることにつながるということを意味します。それこそが、私が注意の神経相関の研究に生涯を捧げたいと考える所以です。
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