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被災の島に戻り 中学の卒業式

3月9日 19時57分

被災の島に戻り 中学の卒業式
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震災で大きな被害を受けた宮城県女川町の離島の中学校で、卒業式が行われ、島を離れて別の学校を間借りしている子どもたちが、震災後初めて島の学校に戻り、式に臨みました。

女川町の離島、出島は、東日本大震災の津波で、446棟の建物のうち、8割近い349棟が流され、一時、すべての島民が島を離れました。
およそ500人の島民のうち、島に戻っているのは僅か67人です。
島にある全校生徒13人の女川第二中学校は、高台にあったため校舎は無事でしたが、生徒全員が島を離れて暮らしているため、別の中学校を間借りしています。
しかし、「卒業式は元の学びやで行いたい」という生徒たちの強い希望があったため、9日、震災後初めて島の学校に戻り、卒業式が行われました。
ことしの卒業生は阿部富博さんと須田未来さんの2人で、阿部さんは、ふるさと出島への思いと、震災後のさまざまな支援への感謝の気持ちを答辞に込めました。
式には島に戻った島民も招待され、島全体で子どもたちの門出を祝いました。
阿部さんは卒業後、地元の水産高校への進学が決まっています。
阿部さんは「島で卒業式ができて最高でした。高校で漁の知識を学びたい。いつか島に戻り、漁師として島の復興を支えたい」と力強く話しました。