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子どもの引き渡し 対応分かれる

3月9日 4時15分

子どもの引き渡し 対応分かれる
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東日本大震災のとき、被災地の学校では、避難のため子どもを保護者に引き渡したケースは6割に上った一方、引き渡さなかったケースも2割近くに上り、学校の対応が大きく分かれていた実態が研究者の調査で明らかになりました。
子どもを引き渡さなかった学校のなかには、引き渡しを要求する保護者と激しいトラブルになったというところもあり、専門家は「保護者と一緒に各学校の事情に見合った対応を考える必要がある」と指摘しています。

日本教育経営学会は、文部科学省から委託を受けて東日本大震災で被害を受けた岩手、宮城、福島の小中学校を中心に子どもをどう避難させたか合わせて300校を対象に調査行い、7割を超える217校から回答を得ました。
このなかで震災のとき、学校にいた子どもを保護者に引き渡したかどうか尋ねたところ、「マニュアルに従って保護者に引き渡した」と回答した学校は131校で、60%に上りました。
一方、「引き渡さなかった」と回答した学校は38校で18%あり、学校ごとに対応が大きく分かれていました。
さらに子どもを引き渡さない対応をした学校のなかで、7校が引き渡しを要求する保護者との間で激しいトラブルがあったと回答しました。
今回の震災では、保護者に引き渡された子どもが命を落としたケースもあり、都道府県の中には子どもの引き渡しはしないと一律の対応を決めたところもあります。
しかし、子どもを引き渡さないと決めた学校でもトラブルがあったことから、専門家は保護者と一緒に各学校の事情に見合った対応を考えるべきと指摘しています。
調査した国士舘大学の北神正行教授は「都道府県で方向性を示す必要はあるが、各学校が事情に見合ったマニュアルを保護者や地域と一緒に作るべきだ」と話しています。