こうした日本大使館の努力からは、ぎくしゃくした日米関係の回復を図ろうとする切迫した事情が感じられる。ブッシュ前大統領と小泉純一郎元首相がテキサス州のクロフォード牧場で共に休暇を過ごした当時を知る日本の外交官にとって、過去3年間はまさに悪夢だった。日本の不安定な政局と米軍普天間基地の移設問題をめぐる対立で、米当局者は「日本は信用できない」と公然と語るようになった。
日本の外交官は昨年、米国が李明博(イ・ミョンバク)大統領を国賓として招き、議会上下院合同による演説の機会を与え、オバマ大統領が李大統領と韓国料理店でプルコギ(韓国風すき焼き)を食べる姿をうらやんだ。野田佳彦首相の訪米は、何度も延期され、現時点では4-5月に予定されているが、日本の外交官は韓国の外交官に対し「韓国の大統領と比較されはしないかと心配だ」と漏らしているという。
日本の置かれている立場は、国際社会が時にはどれだけ冷酷かを知ることができる良い例だ。そして、韓国ももちろん例外ではない。米国家安全保障会議(NSC)のジェフリー・ベーダー元アジア上級部長の言葉を借りれば、韓国と米国は今「これ以上ない良好な」関係を築いているが、こうした関係が永遠に続くと期待するのは純真な希望にすぎない。
急変する中国問題、北朝鮮の核問題をめぐり、韓米の利害関係が一致しない瞬間が訪れる可能性がある。また、両国で今年行われる大統領選挙で選出される新指導者が互いに親しい関係を築くには時間がかかるだろう。韓米関係がこれまで良好だっただけに、こうした時期に聞こえてくる摩擦音は余計に大きく感じるはずだ。韓国外交に戦略的な備えがなければ、韓米の「蜜月時代」は桜のようにすぐに散ってしまうかもしれない。