2012年3月9日 2時30分
政府が活用を検討している「休眠口座」について、口座の維持管理などで年間170億円以上の費用がかかることが8日、全国銀行協会の資料などで分かった。政府は休眠口座の年間約850億円の資金を成長戦略に活用することを検討しているが、預金者らへの払い戻しも年350億円あり、実際には半分も使えない計算だ。
金融庁によると、ほとんどの邦銀は口座を置くだけなら無料だが、維持管理など費用がかかるため、預金が少ないと年1200~2100円程度の管理手数料を取る例もある。金融庁は休眠口座の年間発生件数を1300万口座と推計しており、1口座当たり1200円かかるとみなすと、総額156億円に上る。また年間の払戻件数は約75万口座に上り作業人件費だけで15億円に上る。【田所柳子】