リーグ戦通算300試合となる開幕戦に向け、ランニングで調整する中村(宮崎厚志撮影)
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名古屋グランパスのMF中村直志(33)は、10日に迎える清水との開幕戦(豊田)でJ1通算300試合出場を達成する。グランパスでの出場に限れば、GK楢崎の366試合に次いでクラブ史上2人目の偉業。名古屋一筋の12年目の仕事人が、記念すべき開幕戦で感慨とともにチームを勝利に導く。
淡々とした語り口のなかに、12年間という月日の重みがにじんだ。「ずっとやって来られたのはすごくうれしいですし、本当に自信になりますね。入団当時は未知な感じで、不安ももちろんありました」。11シーズンで積み上げた299試合という数字。出場が確実な開幕戦で、300の大台に達する。初出場はルーキーイヤーの2001年3月17日の千葉戦。「今も覚えてますよ。監督が現役でいました。そんなに昔のようには思えないですね」と懐かしんだ。
現在も抱える両膝痛など、故障と無縁だったわけではない。それでも、貫いてきたプレースタイルが自然と数字を積み重ねた。「チームのやること、監督のやることをしっかり理解して、自分に何ができるかを常に考えながらやっていた」。その考えは5年目を迎えるピクシー体制でも同じ。終了間際に痛恨の同点弾を喫した前日7日のACL城南戦を振り返り、「そんなに悪くはなかった。勝っている状況でのプレーで、やることをしっかりやれれば」と、冷静に改善点を挙げた。
くしくも出場300試合目が開幕戦となったが、自身の記録よりも勝利だけを考えるスタンスは変わらない。「あんまり意識してないですね。開幕という意味ではしっかり勝ちたい。僕のことは終わってから考えたい」とクールに笑った。チーム結成20周年のシーズン。グランパスの歴史とともにプロの道を歩んできた中村が、勝利とともに新たな歴史を刻む。 (宮崎厚志)
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