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【大リーグ】ダル“どや顔”OP戦デビュー 2イニング2安打、無失点、3K2012年3月9日 紙面から
自他ともに認める上々の“メジャー”デビューだった。レンジャーズのダルビッシュ有投手(25)は7日午後(日本時間8日早朝)、オープン戦(対パドレス)に初登板初先発。2イニングを2安打、無四球、3奪三振で無失点に抑えた。7球種全てを投げ、ストレートの最速は95マイル(約153キロ)を記録するなど、この時期にしては順調な仕上がりぶりを見せた。守備でも高いバウンドの投ゴロを逆シングルでジャンプして捕球、すぐに本塁へ送球してアウトにするなど身の軽さも見せた。緊張した様子もなく、淡々と落ち着き払った表情で初戦を無難に投げきったダルビッシュの今後に、ますます期待がかかる。 球場内の全視線がマウンド上に注がれる中、登板したが、緊張感とは無縁だった。「『僕が緊張していないよ』と言っても、周りから『おまえは緊張している』みたいに決めつけられたけど、(日本で)何十試合も投げているから、全然でした」。メジャーでは新人でも、日本での積み重ねがある。もう何年もメジャーで投げているような堂々とした振る舞いで1回、先頭メイビンに向かっていった。 この日は走者の有無にかかわらずセットポジションから投球。球速150キロ台前半のストレートを軸にしながらもツーシーム、カッター、スプリットなど変化球の全球種を一通り投げたが、中でもスライダーが切れた。「(バックネット側からマウンドに向かって)いい逆風が吹いていたのですごく良かった」とダルビッシュ。高めに抜け気味で痛打も浴びたストレートとは対照的に、要所で威力を発揮した。 カウント2−2からメイビンを見逃し三振に仕留めた球も、1死二塁でグスマンを中直に打ち取った球も、続く4番クエンティンに同2−2からバットに空を切らせたボールも、縦横と変化の違いこそあれ、全てスライダーだった。 いきなり得点圏に走者を背負いながらも無失点で切り抜けた上々の滑り出しに、ベンチに戻ると、ワシントン監督をはじめ、女房役のトレアルバ捕手、同僚から次々に「Good job(よかったぞ)!」の声が飛んだ。 2回も先頭のベナブルに“逆球”を中越えに運ばれたが、1死3塁では、ダーネルの高いバウンドで頭上を襲った投ゴロをジャンプ一番、軽快にさばいて捕手にも正確な送球、三塁走者の生還を阻んでみせた。試合後の記者会見で自ら「(報道陣に)『守備に関する質問はないのか』と言おうと思ったところだけど、今出たので言います。すごく良かったんじゃないですか」と投球内容以上に自画自賛するプレーだった。 終わってみれば、開幕を約1カ月後に控えたこの時期としては文句の付けようがない内容。“最後の打者”で空振り三振を喫したパ軍のベーカーが「彼は日本の精神性と体の大きな米国スタイルが融合した選手。メジャーで十分に成功すると思う」と明るい未来に太鼓判を押すほどだった。 手応えありの初登板にダルビッシュも「だいぶいい感じ。今日は敵チーム相手に投げられたことと、思っていたより真っすぐとスライダーが良かった。味方相手のときより(闘争心が)入った」と納得顔だった。 あわやメジャー初被弾のベナブルの一打を「風もあるから普通より伸びると思った。そんなに捉えられた感じはなかった」と言ってのけるなど“大物ぶり”も発揮。ダルビッシュがこれから始まるサクセスストーリーの序章で、確かな一歩を刻んだ。 (穐村賢) PR情報
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