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経済

11日閉店、神戸阪急の後継店舗 子育て世代に照準 

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11日に閉店する百貨店、神戸阪急。外観や内装も高級感を意識して設計された=神戸市中央区東川崎町1(撮影・中西大二)

11日に閉店する百貨店、神戸阪急。外観や内装も高級感を意識して設計された=神戸市中央区東川崎町1(撮影・中西大二)

 開業から20年を前に神戸ハーバーランドの百貨店「神戸阪急」が11日、閉店する。消費不況や百貨店離れに加え、周辺店舗の入れ替わりによる客層の変化にも翻弄(ほんろう)された。後継は2013年4月の開業を目指し、低価格の海外衣料品ブランドなど約100店が入る予定。百貨店は撤退するが、若い家族連れを対象にした新しいエリアに生まれ変わる。(末永陽子)

 1月上旬から始まった神戸阪急の閉店セール。館内は連日多くの買い物客らでにぎわい、1月の売上高は前年同月比で約2割アップした。

 神戸市灘区の主婦(46)は「昔、主人とデートでよく来た。おねだりして海外ブランドのバッグを買ってもらったこともある」と感慨深げ。従業員の一人は「平日にここまでにぎわうのは珍しい。今までがこうだと良かったのですが…」と、複雑な表情を見せる。

 神戸阪急は1992年の開業当初、海外の高級ブランド品も扱った。阪神・淡路大震災では三宮などに比べ被害が比較的少なかったこともあり、96年度にピークの約250億円を売り上げた。

 だが、周辺では百貨店の神戸西武が94年に閉店したのに続き、スーパーのダイエーや家電量販店の星電社も撤退。神戸ハーバー・サーカス(現ファミリオ)、オーガスタプラザ(現プロメナ神戸)は経営主体が交代、客層も次第に変化した。

 神戸阪急は04年にベビー用品の「アカチャンホンポ」を誘致するなどてこ入れを図ったが、95、96両年度以外は赤字が続いた。10年度の売上高は約90億円に落ち込み、施設の賃借契約が切れる12年9月末を前に閉店を決めた。

 閉店後の再開発はショッピングセンター事業大手のイオンモール(千葉市)が担う。「神戸でも海辺のアウトレット施設などは好調で、ウオーターフロントは依然人気が高い」とみる。

 近年、ハーバーランドにはカジュアル衣料品「ユニクロ」などが進出し、週末は子育て世代が目立つようになった。消費者の節約志向に沿うように、イオンは低価格ブランドを商品政策の柱とし、エリアの活性化を図る方針だ。

(2012/03/08 07:10)

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