まるで現代版『ああ野麦峠』和民元店長が経験した修羅場
(週刊朝日 2012年03月09日号配信掲載) 2012年2月29日(水)配信
居酒屋チェーン「和民」を展開するワタミフードサービスの居酒屋に勤めていた森美菜さん(当時26)が08年6月、入社2カ月で飛び降り自殺した問題で、神奈川労災補償保険審査官は労災適用を認める決定を下した。森さんが「業務による心理的負荷が主因となって精神障害を発病した」と認定、業務と自殺の因果関係を認めたのだ。
「森さんが受けた苦しみは痛いほどよくわかる。精神的に追い詰められたんだと思います」
こう語るのは、森さんと同期入社という元店長の男性である。
「森さんの時間外労働は月140時間にも上っていたと報じられていましたが、私も同じようなもの。寝てる時間があったら仕事しろという会社ですから」
この元店長の時間外労働は、月300時間以上になることもあったという。
「休日も早朝から研修会やレポート提出があり、休む時間がありませんでした。仕事と会議で、寝ないで丸2日続けて働くことも。夜勤明けで渡邉美樹会長の講話へ行って、そのまま寝ないで出勤したこともある。それが肉体的にも精神的にもボディーブローのようにきいてくるんです。レジの下で倒れて寝てしまったこともありました」
和民では、人件費のコントロールを売り上げ目標に比例して行っていたという。
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