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科学
【地震学はどう変わったか(3-3)】予知困難 等身大の説明大切
世界最大級の巨大地震と大津波が襲った東日本大震災。地震学はマグニチュード(M)9・0の発生をまったく予想できず、敗北した。東北地方の太平洋岸では過去の大津波の痕跡が一部で見つかっていたが、その成果を防災に生かすこともできなかった。地震学者はこの事実から何を学び、この1年間でどう変わったのか。中堅・若手の研究者3人に大震災の教訓と今後の研究の道筋を聞いた。(小野晋史、原田成樹)
東大地震研助教・大木聖子さん(33)
--東日本大震災で見えてきた問題点は
「災害情報を研究している立場から言うと、『地震予知はできない』という地震学の等身大を正しく伝えていない。例えば東海地震は予知できると多くの人が思っているし、学校の防災もその前提でやっている。私が小学生の時に参加した帰宅訓練では、『警戒宣言が発令され、東海地震が明日発生するので迎えに来てください』との連絡が回ってから親が迎えにきていたし、最近のある学校のマニュアルも同じようなものだった。いずれも地震発生の前だから電話が通じる前提で動く。学校の先生向けの講演会で予知はできないことを知ってほしいと話したら、校長経験者らしい人に『そんなことを言うな』と怒られたこともある。そんな状態で大震災が起きたところ、各地の学校で電話が使えず、児童の引き渡しで混乱が生じた」
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