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AIJ 実体ない会社通し運用報告

3月9日 5時20分

預かった企業年金の資金のほとんどがなくなり、問題になっているAIJ投資顧問は、海外での資金運用でどのような実績が出ているかについて、社長がみずから設立した実体のないグループ会社を通すことで、順調に利益が出ているように装う報告を続けていたことが分かりました。

AIJ投資顧問は、企業年金基金から預かった資金をカリブ海のケイマン諸島などにファンドを設定し、現地の信託銀行に資金の管理を委託していました。
運用でどれだけの収益や損失が出ているかは、通常は現地の信託銀行から定期的に日本に報告されますが、AIJ投資顧問は浅川和彦社長が設立した実体のないグループの「管理会社」を通して最終的に顧客に報告する仕組みにしていました。
AIJ投資顧問が顧客に出した「販売説明書」では、海外での運用に本格的に乗り出した2004年の時点で、すでにこうした仕組みが取られていたことが記載されています。
この仕組みは、現地の法律などに違反はしていないということですが、関係者によりますと、身内の「管理会社」を通すことでほとんどの資金がなくなっている実態を隠して順調に利益が出ているよう報告を改ざんしていたということです。
AIJ投資顧問のこうした一連の仕組みについて、専門家は「資金を預かる運用担当者はきれいな収益の実績をみせたくなるものだ。投資家は第三者の監視があるのか確かめることが必要だ」と話しています。