昨年11月の大阪市長選の期間中、市交通局職員でつくる「大阪交通労働組合」(大交、約6500人)が平松邦夫前市長への投票依頼を呼び掛けるビラを作り、職員に配布していたことが8日、分かった。大交の中村義男執行委員長が毎日新聞の取材に、ビラ作成と配布の事実を認めた。
公職選挙法は選挙期間中、特定の候補への投票を呼び掛ける法定外の文書の配布や掲示を禁止しており、橋下徹市長は刑事告発する方針を明らかにした。
8日開かれた市議会交通水道委員会で、橋下市長が代表を務める「大阪維新の会」に所属の杉村幸太郎市議がビラの存在を明らかにした。交通局職員からの告発で持ち込まれた。
ビラは「組活委NEWS」と題した大交の「組織強化活動委員会」の機関紙。毎月発行し、組合活動や親睦活動について掲載している。問題のビラは、市長選告示(昨年11月13日)後の同15日付で発行。両面に平松氏と知事選に立候補した倉田薫・前池田市長の写真やマニフェストを掲載。「知人や友人の方に『平松邦夫』への投票を依頼していただけるよう切にお願いいたします」とつづられている。【津久井達、原田啓之】
毎日新聞 2012年3月8日 22時12分(最終更新 3月9日 0時10分)