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ザ・特集:沢田研二さんに会いに行く 「震災」「脱原発」への思い 自分の言葉で歌いたい(6/7ページ)

 CDのタイトルは自分の体験からだ。昨年3月8日、空の雲を見て写真に撮った。3日後に大震災とは夢にも思わずに。誰もがそうだったよね……そんな思いを込めた。

 それでももう一度、聞いた。被災地の人が聴いてどう感じるか、怖くないですか。

 「もちろん怖さはあるけど、それはどんな歌でも同じでしょう。一緒に頑張ろうという曲だって嫌な人はいる。ただ、みんな絶対、わざわざ原発の歌なんて作らないでしょうね」

 アハハハハ、と大笑いしてから続けた。「結局、自分の言葉じゃないと歌えなくなったんですね。古い曲もヒット曲も歌う。でも新しい曲は自分の気持ちを、自分の方法で歌わないと、純度が下がる」

 どきん、とした。あなたはあなたの言葉で記事を書いている?と問われたようで。

 インタビューの間中、ジュリーは首のタオルを取らなかった。まるで、かつてのようにカッコいいヒーローとして派手に書かないでくれ……そう言っているみたいだ。

毎日新聞 2012年3月8日 東京朝刊

 

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