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ザ・特集:沢田研二さんに会いに行く 「震災」「脱原発」への思い 自分の言葉で歌いたい(5/7ページ)

 それにしても、大震災という生々しい出来事を歌うのには、ある意味、勇気がいる。

 「いや、こっちに邪気がなかったら大丈夫なんです。これで売れたいとか下心があったら『被災者の気持ちじゃない』と言われたら困るけど、下心がなければ『いや、これ僕の気持ちなんだもの』って。それで十分じゃないですか」

 あっさり、そう返された。

 「テレビや新聞には、元気で、前向きな被災地の方々が出てくるでしょう。けなげだし立派だけれど、一人になったら泣いているんじゃないかな、と思う。立ち直っていない人の方がきっと多い。でも立ち直れないまま、自分のやるべきことを黙々とやっている、そういう人も多いでしょう。だって、昔から人間はそうやって生きてきたから」

 だから「頑張ろう」ではなく、被災した人もそうでない人も「きっと大丈夫」「こういう気持ちだよね」と言い合えるような曲を作りたかった。

毎日新聞 2012年3月8日 東京朝刊

 

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