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5つ星のうち 5.0
太平洋戦争の真実, 2008/8/16
この本はGHQが発売禁止にしていたので、密かに準備されやっと日の目を見たという経緯があります。東京裁判の判決文であり、公式文書であるのにGHQ(アメリカ)はひたすら隠そうとしたのです。
それは、この本が核心と極めて正論を書いて戦争責任を追及しているからです。
この判決文の訳をめぐっては、学者(研究家)の間でも論争となっていますが、この本の訳者である田中氏は公私に渡って生涯の交流があったのですから、パール氏の意図を一番適切に訳していると思われます。
良く誤解を受けるのが、日本の戦争責任ですが、パール氏も戦争行為を正当化してはいません。ですが、戦争の火種はアメリカ、イギリスなど欧米のアジアの植民地化が根底にあり、これらに対抗するのは戦争しか手段が無かったと述べています。
日本に戦争責任を問うなら、原爆投下など無差別殺戮を行ったアメリカも同罪であるとの法学者としての見解を述べています。
なぜ、日本が戦争を起こしたのか?
アメリカが日本に対して何を行ったのか?
真実を知る重要な内容です。
全ての日本人に読んで欲しい本です。政治家でもちゃんと読んでる人は居るのかな...読んでいれば先の戦争について失言や中国、韓国に対しても謝罪一方の外交にはならないと思うのだが...
アジアの自由の為に必要な戦争だったのだから、日本人はもう少し自信を持っていい。認めるべきは認め、主張すべきことは主張する。
靖国神社参拝問題やA級戦犯についてとやかく言う前に、新聞記者や評論家もこの判決文の趣旨をしっかりと理解して欲しい。
広島の原爆死没者慰霊碑には
「安らかに眠って下さい 過ちは 繰返しませぬから」
と刻まれているが、
東京裁判でインド選出の判事であった
ラダ・ビノード・パール氏は
「アメリカという主語が抜けている」という旨のコメントを語っている。
「『過ちは繰返しませぬから』とあるのは日本人を指しているのは明らかだ。それがどんな過ちであるのか私は疑う。ここにまつってあるのは原爆犠牲者の霊であり、原爆を落としたのは日本人でないことは明瞭。落としたものの手はまだ清められていない。この過ちとは、もしも前の戦争を指しているのなら、それも日本の責任ではない。その戦争の種は西洋諸国が東洋侵略のために起こしたものであることも明瞭である。・・・」