オリンパスの粉飾決算事件で、損失穴埋めに使った国内3社の株式を東証1部上場の化学メーカー「群栄化学工業」に売り付けた際、1株当たりの価格はファンドが引き受けた直近の増資と比べ、約22〜288倍だったことが7日、捜査関係者への取材で分かった。
警視庁捜査2課は損失隠しのため、オリンパスが国内3社株を高値で買っても不自然にならないよう、群栄にも高く売り付けたとみて調べる。
同課は同日、群栄から約3億5000万円をだまし取ったとして、詐欺容疑で、粉飾指南役とされるコンサルタント会社社長の横尾宣政容疑者(57)=金融商品取引法違反(虚偽記載)罪で起訴=ら3人を再逮捕。認否を明らかにしていないが、詐取金は3社の運転資金に充てられたという。
再逮捕容疑は2006年2〜5月、群栄に「オリンパスが主体で出資している。売り上げも利益も伸びる」と説明し、国内3社の増資を引き受けるよう持ち掛け、株式取得代金約3億5000万円を詐取した疑い。
[時事通信社]