「体質変わっていない」 浪江町長、東電対応に憤り
東京電力福島第1原発事故発生から1年を前に、東電は原発事故の甚大な被害を受けている双葉郡などの市町村に謝罪行脚を行っている。7日は二本松市に役場機能を移している浪江町役場に鼓紀男副社長らが訪れ、馬場有町長と吉田数博町議会議長に謝罪した。
町によると、鼓副社長は原発事故に伴う被害をわび、その後、補償・賠償問題について意見交換した。町側は東電に対し、補償や賠償金の適正かつ十分な支払いの実施、家屋や土地など財物の補償や賠償などを早急に対応するよう要求。鼓副社長は「意見は真摯(しんし)に受け止めます」と答えるにとどまった。東電側の煮え切らない対応に、町側が「今ここで決断できないのか」と鼓副社長に迫ったところ「上の者に確認します」と答え、町側は「副社長の立場で『上の者に聞く』とはあきれた。震災直後から東電の体質は変わっていない」とあらためて失望したという。
(2012年3月8日 福島民友ニュース)
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