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風間ファミリー登場
悠斗達が2-Sでの初めての授業を受け、その日の放課後のことだ。

2-Sの廊下には風間ファミリーが百代と由紀江以外がそろっていた。

悠斗はマルギッテが検問をしているのを知っていて、今までかなりの人数を追い返しているのには気づいていた。が、今度来たのは2-Fの風間ファミリーだと分かり、教室から声をかける。

「おい、マルギッテ。そいつらならいいと思うぞ。俺と義経はそこにいる二人とは知り合いだしな」

「…わかりました。お嬢様もいらっしゃるので特別です」

マルギッテは悠斗がそういうと、クリスの姿を確認し、ドアの前から引く。

そして、風間ファミリーが2-Sに入ってきた。



~悠斗視点~

俺がマルギッテに通していいと言い、直江達が入ってきた。

「あっ!」

義経は直江と川神に気付き、声を上げる。

「やぁ源さん。東西交流戦ではどうも。神埼君も」

「わざわざ挨拶に来てくれたのか、ありがとう」

「よっ」

義経は嬉しそうに直江達に近づいているな。うれしいんだな。

「弁慶ー、与一ー、お前達も来てくれ」

「はーい」

弁慶は義経に言われて来るが…

「機関からの刺客かもしれねぇ。俺は会わないぞ、絶対にな」

与一だけは会いも変わらず、中二病を発揮している。

まあ、そんな与一も

「わけのわからない事を。ブツクサ言ってないで来い」

「いてててて姉御痛ぇよ。おい引っ張るな、引っ張るな!!!」

弁慶の怪力の前では無理と化す。

「クリスティアーネ・フリードリヒだ!」

「源義経。改めて、よろしくお願いする」

義経のほうは自分と似た雰囲気のあるフリードリヒと熱い握手を交わしているな。

「直江大和。よろしくね弁慶さん」

「どうも。大和の妻、椎名京です」

「ほいほい、私が武蔵坊弁慶だ。まぁ、ぬるっとよろしくね」

弁慶が俺の腕を取りながら言う。

「何で俺の腕を絡み取る」

「う~ん…対抗心?」

「何に対してだかね…」

弁慶とは会ったその日から気に入られて腕に絡み付いてくるときがある。

「おう!神埼悠斗だったな!俺は風間翔一だ!よろしくな!」

「ああ。神埼悠斗だ。よろしくな風間」

「あ~俺のことは翔一でいいぜ?何かお前とは気が合いそうだし」

あれま?翔一にそんなことを言われるとは…。

俺達が楽しく挨拶をしているのだが…

「…俺は気を許さないぞ。悪魔のナイフがどこから狙っているか分からないからな」

…このバカを除いて。

「川神一子よ。武道やってるから話し合おうと思うの」

川神は無邪気100%の笑顔で与一に話しているのだが、

「…一つ言っておくぜお前達」

「あまり俺に関わらない方がいい…不幸になるからな」

人のこと警戒しすぎだろ!?この中二病が!

翔一達は直江を見てニヤニヤしている。直江は胸を押さえて「古傷が…」と言っている。

「那須与一に質問だ!人生とはなんだ?」

翔一の問いに与一は答えた……中二病全開で。

「フン、死ぬまでの暇つぶしだろうよ」

グサッ!

何かが刺さる音が直江からした。

「や、やめろぉっ…そんな事言って、後で恥ずかしいのはお前なんだぞ!!!」

「俺に干渉するな。面倒事に巻き込まれたくなければな」

与一はぷいっとそっぽを向いた。

「あふんっ もうやめて!」

直江は恥ずかしいのか…いや、昔の自分を思い出して恥ずかしがっているのかのたうち回っている。

「顔が真っ赤だよ大和。可愛いねぇ」

「過去の自分の生き写し…これは恥ずかしいわね」

「川神と直江妻。そんなにそっくりなのか?」

俺はニヤつきながら聞いた。

「直江妻…なんて言い響き!そうだね…こんな感じだったね昔の大和は」

「うん。昔も与一君同じように『俺に干渉するな。面倒事に巻き込まれたくなかったらな』って言っていたわ」

グサッグサッ!

「だ、だからやめてくれ!!ワン子!後でお仕置きだぞ!?」

「ひぃっ!?」ガタガタ

涙目でガタガタ震える川神がまさに犬だったと。

「ところで同じ弓使い同士なんだし、興味は湧かないのか京」

「大和の方が百倍かっこいいし、かわいい、以上」

「まぁ京の性格上、興味なさそうねぇ…」

まぁ、椎名は直江以外の男には興味なしって感じだしな。

さて、与一の方を見てみると義経に注意されていた。

そして、

「あほらしい。いつの話を言ってんだよ優等生」

この一言が…弁慶の怒りに触れた。

「与一。公衆の面前で義経に恥をかかせたらどうなるか教えておいたはずだが?」

「冗談じゃねえやってられるか!」

与一は逃走した!

「悠斗、いつものお願い」

「あいよ」

俺が弁慶とやり取りをしていると同じクラスの榊原が与一を足止めしていた。

「せいやぁ!」

俺はいつものごとく、懐のポケットからマグダラの聖骸布を取り出し、与一に向けて伸ばす。

ガシッ!

「捕まえたぞぉ与一ぃ。俺はお前を捕えたぞ」

「ぐおおおっ、ゆ、悠斗、待て、は、離してくれ!これ、徐々に締め付ける力が…」

「知らん。ほれ、弁慶」

俺は拘束した与一を弁慶に渡す。

「いつもありがとう。冬馬。そこの窓あけてくれるかな」

弁慶は窓の近くにいた冬馬に窓を開けるように頼む。冬馬は嬉しそうにしながら窓を開ける。

「与一、ちょっと頭冷やそうか」

「う、うおあああああっ――――――――――――!!!!!」

与一は弁慶に窓の外、この方角はプールの方まで豪快に放り投げた。弁慶も相変わらずの怪力だな。

そして、しばらくしてからザッパーンという着水の音が聞こえた。

「片手でプールまで投げたんですか。凄いですね」

「腕力だけならお姉様並よ。まさにパワー系ね…」

「わわわ、与一大丈夫かな、ちょっとすまない!」

冬馬と川神は驚き、義経は与一が心配なのか鞄からタオルを出して教室を出て言った。

「義経は本当に甘いな…まぁ、そこが魅力なんだが」

全員が呆れ、驚いている中、2-Sに、

「よーしつーねちゃん、たったかおー☆」

武神…川神百代が現れた!

「…来たかやっぱり」

「これも予想通りだな」

「私にお任せください弁慶様。悠斗様。この場を収めます」

俺達の後ろにクラウディオが現れた。

弁慶は呆れ、クラウディオは自分の好みのことを言っている。

そして、クラウディオは川神百代に義経と戦いたい人間を限定するために力を貸してくれないかと交渉している。まあ、戦闘狂の川神先輩は、

「それはいい、OKです!戦いに不自由しなさそうだ。でもいずれきちんと義経ちゃんとは戦いたいなぁ」

「無論です。義経様も喜ぶでしょう」

川神とフリードリヒは学校の人間は義経と勝負出来ると聞き、やる気満々になっている。

まあ、弁慶は勝負する気はないみたいだが。

「こっちはまったりだけどね」

「ん―?」

川神先輩が弁慶に目を向ける。

「…」

「…」

「先輩と弁慶…2人は、ちょっと似ている感じだね」

「というか…間近で見ると、本当かわいいねーちゃんだ」

ポヨン

川神先輩は弁慶の胸を揉む。

「ン…先輩も」

顔を赤くしながらも弁慶は川神先輩の胸を揉み返す。

「くあっ…この返し。なかなかやるな。武蔵坊弁慶」

「初対面で舐められるわけにもいかないもので…90?」

「91になってしまった。んー、お前は89かな」

「負けた…」

「ふふ、武蔵坊弁慶に勝ったぞ、お前達」

一体何をしているのやら。

俺が呆れていると、

はっ、殺気!

殺気を感じ、右手で殺気を感じた方へと腕を伸ばすと、

パァン!

「ほぉ?お前、やるな」

川神先輩の手だった。

「…どういうつもりですか先輩」

「いやなに、あの義経ちゃん達と一緒にいて、武士道プランの関係者と聞いていたんでな……お前、かなり強いだろ。私と勝負しないか?その長い刀…見てみたいな~」

まさかの勝負の申し出。まあ、普通に刀を持って歩いているし、当たり前か。

けど、

「悪いが断らせてもらう」

「なんでだよ~戦えよ~」

「何子供のような言い方しているんですか」

本当に俺より年上…いや、精神年齢なら俺の方が上か。

川神先輩は闘気を少し漏れ出しながら俺に近づく。

「申し訳ありませんが、悠斗様にも立場というものがありまして」

クラウディオが俺の前に現れ、川神先輩を説得する。

「…仕方ないですね。義経ちゃんへの外部からの挑戦者で我慢します」

そう言って闘気を抑える。

「すまねえなクラウディオ」

「気にしなくて結構ですよ(それに彼と戦うのであればあの方に勝ってからではないと…本当にこの方は強い…ヒュームが認めるのも頷けます)」

そうして、風間ファミリーは帰っていき、俺は義経への挑戦者の勝負を見て全員で一緒に帰って行った。






あっ、ちなみに俺は今は九鬼財閥に住んでいるのを今言っておこう。





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