乱入!東西交流戦!
~悠斗視点~
バタバタバタバタ!
「なぁ、義経」
「何だ悠斗?」
俺は隣に座っている少女…九鬼財閥が作ったクローン人間の一人で、フルネームを源義経という。
バタバタバタバタ!
んで、さっきからこのうるさい音はヘリのプロペラの音だ。
何で俺がここにいるのか…俺にすらわからん。
「何で俺がここにいる?」
「ん?いや、義経だけが行く予定だったのだが…その…ヒュームさんがな…」
あんのクソ爺!!!また面倒事を!!
「す、すまない。連れてこなかったほうが良かったか?」
「あ、いや!気にするな義経!お前が悪いわけじゃねえよ。悪いのはあのクソ爺だ」
くっ、義経の泣き顔を見るとどうしても子犬が思い浮かんでしまうのは俺だけか!?
「っ!あれは!」
「ん?どうした?って、おいおい、石田の奴…覚醒してんのかよ」
「助けねば!」
バッ!
「っておい!?義経!……飛び降りていきやがった」
俺を置いて義経はヘリから飛び降りて行った。
「しゃあねえな…まったく」
俺も義経に続き、下へと降りていく。その途中で見えたが、義経が覚醒した石田に向かって走っていた。
「源義経…推参!」
ザシュン!
「ぐああああ!」
一瞬で石田を斬る義経。
「ぐ……はっ、その名前…お前も…俺や島と同じように、武士の血を引く人間か…」
石田の問いかけに義経が答える。
「違う。義経は武士道プランで生まれた者…血を受け継ぐものにあらず…そのものだ」
「……?それにしても理不尽なまでの強さ…惚れ…る…(悠斗よ…お前が女に弱い理由…分かった…気が…す…)」
ドサッ
石田の奴、完全に気を失ったな。覚醒が解けていやがるし。
「義経は、同じ学舎の友として、お前を助太刀した」
義経は直江 大和と話しているのが聞こえる。ああ、ちなみに俺はマジ恋無印の話は知っているが、どうやらこの世界は俺の知るマジ恋とは違うようだ。
「うん…助かった、ありが…!?」
直江の言葉が止まり、上を見ていた。そこには天神館の生徒が安心しきっている義経に斬りかかる。
だが、
「俺がいるんだ、やらせるかよ!神埼悠斗、助太刀に参上!ってか?」
――――斬!――――
「ぐはっ!?あ、あなたは…神埼ど…の」
ドサッ!
生徒は気を失った。
「こら、義経。だめだろ?まだ戦いは終わってないんだ。安心するのは早いぞ?」
ポカン!
軽く拳骨で叩く。
「あいた!す、すまない///恥ずかしい限りだ」
俺に叩かれた頭を押さえる義経。
「キミ達、助かったけど…俺はキミ達みたいな目立つヤツ知らないんだけど」
直江の話を聞いた俺たちは、互いに言い合う。
「無理もない。義経と悠斗は、今日から2-Sに編入された」
「だから、お前が知っているはずがないな」
俺達の話を聞いた直江は少し、というか目を光らせたのが分かった。
「……Sクラスなのか」
「そうだ。Sは実力最優先の、選抜クラスだそうだな」
「義経は少し緊張してんだよな?」
俺がからかうように言うと少し顔を赤くする義経。
「うむ。しかし、弁慶が、義経はやれば出来る子、というので頑張ろうかと悠斗もサポートすると言ってくれているしな!」
「そ、そうか」
「しっかし、いくら大将を潰すためとはいえ、軍師が単独行動するのは危険だと思うぞ。せめて、護身術とか覚えておけよ」
俺が直江のした行動について注意をすると、少し落ち込んでいる直江。
「ああ…一気に倒すチャンスだと思ったけど…甘く見ていた…助けられちゃ世話ないね。反省する。君の言うとおり、護身術でも教わろうかな…(姉さんは駄目だし…教えてもらうならルー先生かな?)」
「…気持ちは分かる。義経も時々やるからな」
「それで弁慶に心配かける義経ちゃんであったのさ。」
「ゆ、悠斗!///」
義経がジェスチャーで「そんなことは言わないでくれ!」と言ってきているが無視しちゃおう。
そんなやり取りをしていると確か…川神一子だっけ?が、島を倒したところだった。相変わらず、初対面の奴にもオジさん扱いか。
義経はそれを見ていたので、川神に近づき、感心しているのか話している。
「あはは、どうもどうも」
苦笑いの川神。
「これぐらい感心した!」
義経が手をバッ、と横に広げている。変なところが子供っぽいよな。
「…えーと、ところでどなた?」
川神は最もな意見を言う。
「その話は後だ…ともかく、これで勝ったな」
「うん。敵将はすべて倒した。勝ち鬨を高らかにあげよう」
義経が川神を見ている。
「え、あ、アタシが…勝ち鬨!?」
「君にはその権利がある。最後の将を…島を倒したんだしな。俺と義経が保障しよう」
義経を見る、コクンと頷く。
「いやははは、て、照れるけど…それじゃあ」
息を大きく吸い、川神は大声で勝ち鬨を上げた。
「敵将!全て討ち取ったわ――――!!!」
「勝ち鬨をあげろ――――!!!!!」
「俺達、東の勝ちだ――――!!!!!!」
川神が声高らかに勝利宣言した。それが聞こえたのか、各地から怒号が聞こえる。
そこへ、
「フハハハハハ! 皆の者、大義であった!!」
英雄が現れた。
「おい九鬼英雄。なんなんだ彼女と彼は。2-Sだそうだが」
「武士道プランの申し子か。それに我が友、悠斗も。予定よりも早く投入されたな」
「義経も武士だ。戦と聞いては武士の血が騒いで黙っていられない」
「俺の場合はあのクソ爺のせいだけどな」
やれやれだぜ。
「貴方が義経のクローン…しかしまさか女性だとは」
「義経は義経だ。性別は気にするな」
「だな。こいつはからかうと面白いぞ?」
「ゆ、悠斗!///」
腕を横に振る義経。フ、かわゆい奴だな。
「ええ、私もどちらでも構いません」
「「お前は違う意味で言っているな」」
俺と直江の声が重なった。
「それにしても何だ武士道プランって…?」
直江は義経や英雄の話にあった武士道プランについてを聞く。
「明日の朝、テレビを見よ。それが一番てっとり早いわ!」
確かに一々、話すよりもまとめてわかるテレビのほうがいいよな。
「これから、よろしく頼む」ぺこり
「どうも、こちらこそよろしく」
「これから、よろしく頼む」ぺこり
「大事なので義経は2回言ってみた。では、さらば」
そう言って義経はこの場を去ろうとするが、
ガシッ!
「な、何をするんだ悠斗!」
俺は義経の腕を掴んだ。
「アホ。お前、道わからないだろ」
そう言いながら俺は義経を肩に担ぐ。
「んな!?///ゆ、悠斗!これは恥ずかしいぞ///」
義経は俺の肩の上でバタバタ暴れる。
「こうでもしないとお前、道に迷うだろうが。んじゃ、英雄、またあとで会おう」
俺は英雄にそう言ってこの場から消えるように去っていくのであった。
そして、時は次の日へと移る。
+注意+
・特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
・特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)
・作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。
この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。