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2012年3月7日(水) 19:14 |

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海底トンネル事故、原因究明は困難
作業員5人が死亡した倉敷市水島の海底トンネル事故の発生から、7日で1か月がたちました。 工事元請けの鹿島は、会見で改めて陳謝し、事故の再発防止にむけて全力で取り組む考えを示しました。 一方、1か月たった現在も、具体的な事故の原因については分かっておらず、早急な原因の究明が求められています。
先月7日、倉敷市のJX日鉱日石エネルギー水島製油所で起きた海底トンネル事故。 掘削中のトンネルに何らかの原因で水が流れ込み、現場で作業を行っていた5人が行方不明になったもので、5人は今月3日までに遺体で発見されました。 水島コンビナート内で、対岸に位置する2つの工場を結ぶ目的で掘削が進められていた海底トンネル―。 その横穴は160mほど掘り進められており、水島海上保安部の調査で、この先端付近の海底にくぼみがあることが明らかになっています。 また、これまで行われてきたトンネルたて穴のがれきの撤去作業では、トンネルの内側の壁となるセグメントも引き上げられています。 中にはボルトがついたままの状態のものが2つあり、トンネルの天井付近に設置される種類のものと判明。 これらはいずれも真っ二つに割れていることなどから、工事元請けの鹿島では、取り付ける途中か、取り付けたあとに何らかの力で壊れたものと見ています。 一方、先月7日、事故発生の約13分前の午後0時17分ごろには、トンネル内にいた現場責任者の渕原さんから、地上の鹿島の社員に、電気系統のトラブルをうかがわせるかのような電話連絡が入っていたことが分かっています。 さらに、鹿島の調査などで、渕原さんから届いた電話連絡の約10分前の午後0時7分ごろ、トンネル内で停電があったことが明らかになりました。 鹿島ではこれまでに、事故原因の可能性として、1つ目にトンネルの内壁である「セグメント」の崩落、2つ目にトンネルを掘削していたマシンの破損、3つ目に土壌など現地特有の要因をあげ調査を進めてきました。 しかし、7日までの調査では具体的な事故原因の特定までにはいたらなかったということです。 現場では、トンネルたて穴のがれきの撤去作業が進められており、今後は横穴に水中カメラを入れて調査をすることも検討されています。 なぜこのような事故が起き、ふせぐ手立てはなかったのか。 今後は、岡山県警が業務上過失致死容疑で捜査を進めていきますが、事故原因の究明には時間がかかる見込みです。
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