葉っぱ朴さんからのメッセージ(4) 2006.1
◆本当に助けたかった

十年以上経っても、火事から子供を救助できずに死なせてしまった重い自責の念と性的虐待をした重い自責の念とが心に取り憑いていて、心が裂ける程激しく締め付けられます。
平成七年九月十日、軟弱で臆病な僕は、その二重の自責の念に押し潰されて逃げてしまい、「心の自殺」=「虚偽の自白」の落し穴に嵌ったのです。全く愚かにも刑事の「否認したら死刑になる」の言葉を真に受けて信じ込み、それが怖くて堪らなかったのです。その結果、彼女を不幸のドン底に落してしまいました。
全ての責任は僕にあり、どのように非難されても仕方ありません。確かに愚か者でしたが、それでも無実だから無実なのです。ただ、無実でも、子供を救えなかった事は、悔んでも悔み切れない人生最大の後悔です。

瞳を閉じると、当時の火事の記憶、運び出された子供の姿の記憶、子供の死亡宣告の時の記憶、火葬で遺骨となった子供のお骨上げの記憶が、今でも生々しく蘇ってきて、深い衝撃と哀しみを再体験します。 本当に助けたかった。助けたくて助けたくて必死でした。炎を発見した後の初期消火で失敗した自分の咄嗟の判断が恨めしい。トランクス1枚の裸で燃え盛る家へと走ったものの、熱くて中に飛び込めなかった自分が恨めしい。この命をあげてでも子供を生き返らせたい。子供に会いたい。子供に謝りたい。

火事以来の悲願はただ一つ、子供の霊の鎮魂を願い、真に科学的に車の出火原因を解明し、真実を真実として認めてほしいことです。だからこそ警察に全ての下駄を預けて信じたのですが、その結果が「虚偽の自白」で、刑事の言葉を真に受け過ぎた僕が愚か者でした。

元FBIで車両火災調査官のクラプトさんを始め沢山の専門家に、自然発火の真相を解明していただきました。皆様方の誠意と声が届いて、きっと最高裁判所も心眼を開かれることと信じています。 皆様、彼女と僕の無実のために、どうか御協力の程を切によろしくお願い致します。

平成18年1月