北陸の経済ニュース 【3月8日02時46分更新】

福井火力三国1号機の定検前倒し 北電、夏の原発停止見据え
 北陸電力は7日までに、志賀原発の停止が今年夏まで続いた場合を見据え、火力発電所 の定期検査を前倒しして実施することを決めた。今年後半に予定していた福井火力三国1 号機(坂井市、出力25万キロワット)の検査を今月中に始める。火力では今月、富山新 港1号機(射水市、50万キロワット)、敦賀2号機(敦賀市、70万キロワット)も検 査に入る予定で、北電は夏の供給力確保に万全を期す考えである。

 北電によると、夏に志賀原発が2基とも停止していた場合の供給力は現時点で585万 キロワット。最大電力が過去最高だった2010年8月の573万キロワットと想定する と、供給余力は2%になる。

 安定供給の目安となる供給余力8〜10%には届かず、火力がトラブルなどで停止する 事態を避けるため、夏前に三国1号機の検査を実施する。

 富山新港1号機は国の特例措置の承認を受け、昨年12月中旬を予定していた定期検査 を今月末に繰り下げた。敦賀2号機は今月中旬から検査を始める。

 火力の定期検査期間は2〜3カ月。3基が検査入りすることで、今春は145万キロワ ットの供給力が削られ、需給が厳しくなるが、電力需要期の夏に火力をフル稼働させ、安 定供給を確保したい考えだ。

 北電は昨年夏、志賀原発の停止に伴って節電を要請した。志賀原発が動かなければ、今 夏の需給も逼迫(ひっぱく)する可能性があるとし、夏までの原発再稼働を目指している 。


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