東日本大震災で大きな被害を受けた岩手、宮城、福島3県の最新推計人口(2月1日現在)は計561万4996人で、震災前(昨年3月1日現在)より8万2901人減少した。前年の同期間は1万4372人の減で、震災で人口流出が大幅に加速。特に、福島県について専門家は「このままのペースで進めば、2040年には人口がほぼ半減する」と試算し、将来まで被災地に深刻な影響が続く恐れが浮かんだ。
昨年3月~今年2月の減少数は岩手1万6390人、宮城2万2924人、福島4万3587人。前年同期間は岩手1万300人減、福島1万2139人減で、宮城は8067人の増だった。3県の震災死者1万5788人(7日現在)を踏まえても、震災後の減少の大きさが際立つ。
津波被害を受けた沿岸部や福島第1原発事故の避難区域にある42市町村でみると、計5万7204人も減少した。人口が増えたのは仙台市と宮城県利府町だけで、仙台市も津波に襲われた宮城野、若林両区は減少した。
政策研究大学院大学の出口恭子准教授(マクロ経済学)は、震災後の転出入状況などを踏まえ、将来の都道府県人口を試算した。その結果、子供や親などの転出が進む福島県では、現状に近い転出が続いた場合、20年の人口は震災前(10年)の17%減となり、40年には49%減に達することが判明。10年に全国23位の高齢化率(25%)は、30年に全国トップの40%近くになり、40年には45%に上昇するという。【北村和巳】
毎日新聞 2012年3月8日 0時56分