2012年1月10日 21時34分 更新:1月10日 22時10分
ドイツ政府が9日実施した6カ月物の短期国債の入札で、平均落札利回りがマイナス0.012%となり、初めてのマイナス金利となった。投資家が、満期時までに受け取る金利と償還額の総額よりも高い金額を支払ったことになり、ドイツ政府は借金をしているのに金利を受け取る形になる。欧州債務危機を背景に銀行の信用力が低下しているため、銀行に資金を預けている保険会社や投資ファンドが、信用力が高いドイツ国債の購入に回したとみられている。
ドイツ国債は信用力が高い上、償還期間が短い短期国債は「リスクはほぼゼロ」(大手証券)とされる。この日の応札倍率は1.8倍で、落札額は39億ユーロ(約3800億円)だった。欧州危機の影響で銀行に預けておくリスクを心配する投資家の「安全性の高い資産を購入したい」という姿勢が鮮明になった。【窪田淳】