阿部重夫発行人ブログ「最後から2番目の真実」
FACTAleaks ―― 対セラーテム戦争14 于文革からの抗議文
2010年09月29日 [leaks]
于文革氏への質問状は回答期限を9月7日としたが、音沙汰がない。そこで「朗」氏にメールを送り、「反論できないということか」と念を押した。すると9月9日、中国語の文書がFAXで送られてきた。読めば一目瞭然だが、回答書ではなく抗議文である。このブログの挑発に乗って感情をむき出しにするあたり、上場企業経営者としての于文革氏の資質が垣間見えて興味深い。FACTAは投資家の目線で質問しているという前提が、まったくわかっていないのでしょう。
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FACTA出版株式会社
阿部重夫 様
2010年9月9日
株式会社セラーテムテクノロジー
会長 于文革
田原真司氏が王建鋼氏を通じて2010年9月2日に電子メールで当社に送付した書面資料(編集部注:質問状のこと)に対して、以下のように回答します。
貴社が8月6日と10日に送付してきた質問状に、当社は8月10日と12日にそれぞれ書面で回答しました。しかしながら、貴社は当社が回答した内容を無視し、8月20日に発行した雑誌に事実に合致しない内容を掲載しました。
こうした状況にもかかわらず、当社は真実を説明するため、引き続き書面の形式で回答することを決定していました。
しかし、貴社の編集長(編集部注:発行人の誤り)は最近、「対セラーテム戦争」というタイトルで何度もブログに記事を掲載しました。ならば私は、戦争の相手に対して、いかなる問題についても回答する必要はないと考えます。
そのほか、貴社の連絡人である田原真司氏は、中国の「新世紀」雑誌に同様の内容の記事を掲載しました。しかも貴社の編集長のブログは、この記事を田原真司氏が書いたという事実を読者に対して隠し、「ほか一名の記者の連名」などと名前を伏せました。当社に対する貴社の報道が偏見と悪意を帯びていることが、ここから読み取れます。貴社が作成した記事は、ニュース報道が従うべき客観性、公正性、真実性などの基本原則から完全に逸脱しています。ジャーナリストの職業規範に反した貴社の行為に対し、当社は深い遺憾の意を表明します。
従って、貴社の今後の質問に対して当社に回答する義務はないことを、ここに特に通知いたします。
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読んでおわかりの通り、抗議文がブログで公開されるのを意識したのだろうか。于文革氏は北京に行った田原君の実名をあげて、奇想天外な批判をしている。
田原真司氏は、中国の「新世紀」雑誌に同様の内容の記事を掲載しました。しかも貴社の編集長のブログは、この記事を田原真司氏が書いたという事実を読者に対して隠し、「ほか一名の記者の連名」などと名前を伏せました。当社に対する貴社の報道が偏見と悪意を帯びていることが、ここから読み取れます。
何もご存じないようだから、事実を教えましょう。中国の「新世紀」はFACTA9月号のスクープ記事に強い関心を持ち、我々に情報提供を求めてきた。調査報道に強い彼らの加勢はFACTAにとっても有り難いから、事件のあらましや未解明のポイントを伝えました。その連携の労を執ってくれたのが田原君です。新世紀の記事は、田原君の情報を参考に張伯玲記者が独自に取材して書いたもの。記事の中身は当然FACTAとは違います。
このブログでは、新世紀の記事に最初からリンクを張っています。記事には張記者との連名で田原君の名前も出ていますが、彼の名前を伏せる必要があれば、そんなことはしない。田原君は8月6日の決算説明会で池田社長、宮永取締役と名刺を交わしているし、北京誠信にも実名で取材しています。
于文革氏はこのブログを読んでいるようだから、改めて聞きましょう。于さん、あなたは新世紀の記事を「田原真司氏が書いたという事実」を、田原君または新世紀に一度でも確かめましたか? このブログは多くの投資家も見ています。すぐにばれる嘘をついて、投資家がどう思うか考えたことはありますか?
投稿者 阿部重夫 - 12:00| Permanent link | トラックバック (0)