阿部重夫発行人ブログ「最後から2番目の真実」
FACTAleaks――対セラーテム戦争10 再質問状への回答
2010年09月12日 [leaks]
半ばあきらめていたが、8月12日ギリギリにセラーテムから再度、回答をいただいた。もう締め切りである。それがどう雑誌に反映されたかは、FACTA9月号(8月20日発売)の「『中国のハイエナ』が大証裏口上場」の記事をご覧ください。これまでのやりとりを含めて、FACTAの調査報道がどこまで徹底しているかの証明となるだろう。しかもこのブログで完璧に質疑を公開しているのだ。こちらは万全の構えで、あとはボロをだすのを待つだけだ。
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ファクタ出版株式会社
阿部 重夫 殿
平成22年8月12日
株式会社セラーテムテクノロジー
代表取締役社長 池田 修
貴社からの平成22年8月10日付けファックスに対し、以下のとおり、ご回答します。
「北京華電垣盛電力技術公司」は、北京市供電局傘下企業200数社のうちの1社であり、于文革氏は北京市供電局の幹部として複数の傘下企業の代表者として登記されておりました。于文革氏は、「北京華電垣盛電力技術公司」の代表者としても登記されていましたが、同社は、2002年よりほとんど事業を休止しており、庄瑩氏が于文革氏と「北京華電垣盛電力技術公司」で実質的に共に仕事をしていたことはありません。
中国農業大学のウェブサイトの記載が誤っております。庄瑩氏は、当時CEEの顧問であり、副総経理などではありません。
庄瑩氏は、便宜上、「副総経理」という名称を使う場合はあったかもしれませんが、CEEの副総経理ではなく、CEEとの間で雇用契約を締結したこともありません。庄瑩氏は、CEEと顧問契約を締結していたことがあるのみであり、于文革氏の長年の部下などではありません。
北京誠信能環の主業務であるIT技術を使った省エネコンサルティングサービスについては、中国商務省の外商投資指導目録の中の制限産業に当たらず、参入規制分野ではありません。しかし、主業務以外の業務、また中長期的にこれから参入する分野を見据えた上で、当社は戦略的に契約支配型ストラクチャーを採用しています。したがって、当社の説明に何らの矛盾もありません。
当社グループが行っているのは、スマートグリッドおよび電気自動車充電ステーションの事業主からの受託建設、受託業務であり、外商投資指導目録で規制されている「建設、運営」には該当しません。同目録で規制されている「建設、運営」とは事業主として「建設、運営」することであり、建設を請け負うことは含まれてません。
上記B)と同様、科信能環が行うスマートグリッド事業は、事業主からの受託であり、外商投資指導目録で規制されていません。
笠井浩一会計士の事務所の電話番号は03-6277-8776です。事務所に職員が不在の場合は、笠井浩一会計士の携帯電話に転送されているとのことです。
現時点で、白雲峰氏が科信能環の役員に就任した事実はありません。
以上
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さて、この回答から1カ月経った。その間にもFACTAとセラーテムの応酬は続いているが、当方は次号を編集しなければならないから、しばらく間をおこう。
セラーテムは9月15日、株主総会を開く。株主に提案したい。FACTAが発した質問状を株主総会で改めてぶつけてみたらどうでしょうか。ついでに、新しい質問のヒントを差し上げましょう。
セラーテムの株主のひとつであるNew Light Groupのオーナー、庄瑩が「副総経理」ではなく「顧問」だと言い張っている点です。これは庄瑩が副総経理だと認めると、セラーテムによる北京誠信の買収が企業会計基準で開示が義務づけられている「関連当事者間取引」に引っかかるからではないでしょうか。肩書きの枝葉末節にこだわるのは、何か隠しているせいとも思えます。
もうひとつ、一方、チャイナボーチー元CEOの白雲峰については、回答書では「役員に就任した事実はない」と答えていますが、8月6日に大和証券の会議室で開かれたセラーテムの取締役に出席していたとの確かな情報を得ました。実は、墓穴を掘ったのは白雲峰自身です。彼が自分のブログに「8月5日に東京にいた」と書いていたので、調べたところ、取締役会出席が確認できました。彼らの回答の随所でほころびが出ていることがこれで証明できます。
ぜひ、そこをつついてみてください。株主のお楽しみが増えます。シドロモドロの池田社長の醜態と、あわててボロ隠しに口を出す宮永取締役の「絶妙の漫才コンビ」を見物できるかもしれませんから。
次号の編集が終わったら、FACTAも再び参戦しましょう。
投稿者 阿部重夫 - 08:00| Permanent link | トラックバック (0)