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阿部重夫発行人ブログ「最後から2番目の真実」

FACTAleaks――対セラーテム戦争8 脅しつき回答

2010年09月10日 [leaks]

8月10日、先の決算説明会で手渡した9項目質問状に対し、セラーテムから回答がファクスで送られてきた。仰々しく社印と代表者印が捺してあり、「貴社が虚偽の事実を記載した雑誌を発行した場合には、法的措置を執る用意があります」などと脅しの文句を並べている。

調査報道がこれくらいで動じると思っているのか(現に発行から2週間以上たった9月9日現在、なんの抗議文も届いていない。サイトで勝手なリリースを流し、弊誌に正面から反論を挑んでもこない)。

とにかく回答なるものをここに掲載しよう。

なお、FACTAが調べたセラーテムと北京誠信の相関図は下記の通りである。こちらを念頭に、セラーテムとのやり取りをご覧いただきたい。

*   *   *   *   *

回答書

ファクタ出版株式会社
阿部 重夫 殿

平成22年8月10日
株式会社セラーテムテクノロジー
代表取締役社長 池田 修

貴社から平成22年8月6日に手渡された書面に対し、以下のとおり、ご回答します。

1 はじめに
まず、貴社は、平成22年8月6日に突然、上記書面を手渡し、その中で「8月6日(金)までに面談による取材をお願いします。承諾頂けない場合は、その理由と各項目に対する回答を、同じく8月6日までに文書で送付ください。」という相手の都合も考えない一方的かつ非常識な要求をされていることは、極めて遺憾であります。
また、貴社は、上記書面の中で、「①中国資本による実質的なセラーテム買収、②CEEの日本の株式市場への『借殻上市』」などと結論付けられており、そのような偏見を持った貴社の取材をお受けすることはできません。しかし、貴社が虚偽の事実を記載した雑誌を発行することにより、当社の信用が毀損され、または当社の取引先、投資家、その他の関係者が誤信することを避けるため、以下のとおり、書面にて回答します。
なお、当社の回答にもかかわらず、貴社が虚偽の事実を記載した雑誌を発行した場合には、法的措置を執る用意がありますので、念のため申し添えます。

2 質問項目に対する回答

(1)質問項目1)について
以下の点は、事実と異なります。また、その他の点の事実誤認については、質問項目2)以降をご参照下さい。
① WCI、NLG、CEEは現実に一体の存在であるとの事実。
それぞれオーナーも異なり、それぞれの間に支配または従属関係はありません。
② チャイナ・ボーチーの日本事務所と当社がオフィスを共有しているとの事実。同一フロアーであるだけで、オフィスを共有してはいません。

(2)質問項目2)について
庄瑩氏は、CEEの副総経理ではなく、于文革氏の長年の部下などではありません。
庄瑩氏は、CEEとの間で雇用契約を締結したことなどなく、顧問契約を締結していたことがあるのみです。この顧問契約も昨年6月以前に解消されています。
 また、CEEは、NLGやWCIとの間で雇用および業務上の深い関係があったものではありません。なお、趙広隆氏および庄瑩氏の人的ネットワークを使って中国市場へ進出する予定であることは、NLG およびWCIに対する増資の際の2009年6月1日付けIRでも開示しております。

(3)質問項目3)について
 当社と提携前の資金調達であり、当社は把握しておりません。また、于文革氏個人のプライバシーに関わる問題であり、そもそも回答できません。

(4)質問項目4)について
複雑な操作ではなく、裏上場でもありません。

(5)質問項目5)について
 負ののれんの発生は、企業結合時のCEEの時価純資産額が取得価格を上回ったことによるものです。企業買収の価格は、前年度の業績(2009年上半期は赤字)、経済情勢、将来性、リスク要因などを総合考慮して判断されるものであり、純資産価額と異なるのは当然です。
 当社は、上記の負ののれんを正確に開示しており、見せかけの業績を底上げするような意図などありません。

(6)質問項目6)について
 CEEは、電力関連企業ではなく、IT技術を使った省エネコンサルティングサービス会社です。中国政府商務部公布の外商投資指導目録にも省エネコンサルティングサービスは、外資参入規制分野ではないと記載されています。したがって、契約支配型ストラクチャーにより、受注が取れなくなる可能性はありません。

(7)質問項目7)について
 同上。

(8)質問項目8)について
 CEEのウェブサイトに記載された電話番号の所属部署は、平成22年6月28日に事務所移転を行ったが、ウェブサイト上、古い電話番号が残ったままになっていたようです。
 知らない者が突然訪問して質問をしても回答しないことは当然であり、受付女性も当然の対応をしたものです。
 CEEは、当社のIRのとおり、実体のある会社です。

(9)質問項目9)について
 当社によるCEEの契約支配型買収については、中国政府の担当部門に許認可されており、質問項目5)のとおり、問題はありません。
 また、中国資本に支配されているという点がWCIとNLGが過半数の株式を保有しているということであれば、既に開示されており、貴社が言うような「装い」はありません。

以上

投稿者 阿部重夫 - 08:00| Permanent link | トラックバック (0)



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発行人 阿部重夫

編集長 阿部重夫

1948年、東京生まれ。東京大学文学部社会学科卒。73年に日本経済新聞社に記者として入社、東京社会部、整理部、金融部、証券部を経て90年から論説委員兼編集委員、95~98年に欧州総局ロンドン駐在編集委員。日経BP社に出向、「日経ベンチャー」編集長を経て退社し、ケンブリッジ大学客員研究員。 99~2003年に月刊誌「選択」編集長、05年11月にファクタ出版株式会社を設立した。

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