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阿部重夫発行人ブログ「最後から2番目の真実」

FACTAleaks――対セラーテム戦争3 日中連携報道

2010年08月31日 [leaks]

番外編として、ここで速報を挟もう。セラーテム“事件”がついに中国で報道された。

今年1月に発足した「財新メディア」が発行する週刊「新世紀」8月30日号に張伯玲記者ほか一名の記者の連名で、長文の記事が掲載され、同誌のインターネットメディア「財新網」にも載っています。

タイトルは「セラーテム、智能電網(スマートグリッド)の謎

同じ記事はたちまち、「新浪財経」「網易財経」「騰訊財経」「路透(ロイター)」に転載され、セラーテムが中国でスマートグリッドを受注したという奇怪な話は、中国でもマユに唾をつけられていることが明らかになりました。中国語が読める方はリンク先をクリックしてください。その報道内容も含めた続報は、9月20日発売のFACTA10月号に掲載しますから、お楽しみに。

ところで、「財新」をご存じない方のためにここでちょっと解説。「財新」は中国でもっとも名高かった調査報道誌「財経」の後身。「中国最危険的女人」と呼ばれ、容赦ない報道で中国社会を震撼させた胡舒立編集長が昨年秋、オーナーとの対立から編集スタッフとともに辞任、独立して創業したのが「財新」である。

その経緯については、本誌09年12月号の「中国唯一のスクープ誌『財経』挫折」をご参照ください。ま、「選択」を辞めて「FACTA」を創刊した私と似た立場と言えば言える。北京で「元気いっぱい」強気の彼女にインタビューしたこともあるし、私が尊敬する中国人ジャーナリストの一人としてFACTAも折に触れて協力してきた。

「財新」には辣腕スタッフが馳せ参じているから、まだ創業早々とはいえ中国社会へのインパクトは大きい。現に転載サイトの多さがこの雑誌のステータスを示している。中国のSECにあたる中国証券監督管理委員会(CSRC)にも影響力大だから、「財新」の報道は、FACTAにとって千人力の助っ人になる。

日本の某経済誌には、セラーテムから「広告を載せられないか」との打診があったそうだ。FACTAleaksにたまりかねて、広告で弁解しようというのだろうか。それとも逆宣伝か。ま、そんなお笑い広告を載せたら、AERAと同じく笑いのめしてやろう。

31日もセラーテムの株価は5200円安。10万円割れが目前だが、デイトレーダーがこのブログをみてどう判断するか、これは見ものである。

9月9日追記) Yahoo掲示板に「財新の記事が削除された」という書き込みがありましたが、無料公開期間が過ぎたので有料ページに移動したものです。セラーテムおよびそのシンパの期待もむなしく、記事が抹消されたわけではありませんので念のため。そこで上記のリンク先を変更しましたが、全文が読めないため、公式転載先の1つ、鳳凰網(フェニックスニューメディア)のリンク先をお知らせします。

http://finance.ifeng.com/stock/zqyw/20100829/2564520.shtml

投稿者 阿部重夫 - 16:45| Permanent link | トラックバック (0)



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発行人 阿部重夫

編集長 阿部重夫

1948年、東京生まれ。東京大学文学部社会学科卒。73年に日本経済新聞社に記者として入社、東京社会部、整理部、金融部、証券部を経て90年から論説委員兼編集委員、95~98年に欧州総局ロンドン駐在編集委員。日経BP社に出向、「日経ベンチャー」編集長を経て退社し、ケンブリッジ大学客員研究員。 99~2003年に月刊誌「選択」編集長、05年11月にファクタ出版株式会社を設立した。

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