東日本大震災の被災地のがれき処理を巡り、谷本正憲知事は6日、がれきの焼却灰を埋め立て処分する際の放射性物質の基準が、従来の原発解体関連の廃棄物の基準よりもはるかに高いことを挙げ、「ダブルスタンダードではないか。これでは住民は納得しない」と語り、不信感をあらわにした。【横田美晴】
環境省は震災がれきの焼却灰などを、一般廃棄物として自治体が処分場に埋め立てる際の基準を、放射性セシウム1キロ当たり8000ベクレル以下とした。しかし、原発を解体する際に発生する廃棄物についての従来の基準は同100ベクレル以下。このため、基準の曖昧さを不安視する声が全国で上がっている。
また、谷本知事はこの日の県議会で、震災がれきの広域処理に対し、国が自治体側に財政支援する方針を打ち出したことに対し、「現時点では具体的な内容が示されていない」と述べ、引き続き国の動向を見極める姿勢を示した。紐野義昭県議(自民)の質問に答えた。
がれきの受け入れ自治体に対する国の財政的支援は、野田佳彦首相が4日表明した。これについて谷本知事は6日の答弁で、「ようやく地域の声が国に届いた感がある」と一定の評価をした。
同日の県議会では一般質問のほか、計750億2800万円の11年度一般会計補正予算案など計19議案の追加提出も行われた。
毎日新聞 2012年3月7日 地方版