経済産業省は、東日本大震災後の電力不足で大きな課題になっている、日本の東西で異なる電力の周波数を、統一する場合、およそ10兆円に上る設備投資が必要で、実現は事実上困難だとする見解をまとめました。
東日本大震災の直後、東京電力管内で計画停電が行われた際、電力の周波数が東日本は50ヘルツ、西日本は60ヘルツと異なっていることが、地域を越えた電力の融通の大きな課題となりました。
このため経済産業省は、今後の電力不足に備えるため、周波数を統一することが可能かどうかを検証し、その結果をまとめました。
それによりますと、周波数の統一には発電機や変圧器を交換しなければならないため、電力会社の設備投資だけでおよそ10兆円が必要になるとしています。
さらに、大口の利用者を中心に自家用発電機や工場のモーターなどを交換するといった対策も必要になるということで、周波数を統一することは事実上困難だという見解を示しています。
一方、電力各社で作る「電気事業連合会」は、東西の周波数を変換する設備の能力を、現在計画されている120万キロワットから、さらに210万キロワットに引き上げて、東西での電力融通を拡大する必要があるという試算をまとめました。
ただ、これについても、新たに1300億円程度の投資が必要だとしており、実現に向けては、誰がどのように費用を負担するかが課題になるとしています。
[関連リンク] |
|