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“津波の影響予見できたはず”

3月7日 6時15分

“津波の影響予見できたはず”
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東日本大震災の発生からまもなく1年になるのを前に、アメリカ原子力規制委員会のアポストラキス委員は、福島第一原子力発電所の事故について、日本政府や東京電力が「津波の影響を予見することはできたはずだ」と述べて、アメリカ国内の原発でも安全対策の強化に努める考えを強調しました。

アポストラキス委員は6日、ワシントンで開かれたシンポジウムで講演し、福島第一原発の事故について「事故について『予見が不可能だった』と言われているが、津波の影響を予見することは可能だったはずだ」と述べて、日本政府や東京電力が津波の影響を十分考慮し、原発の電源喪失という事態に備えることはできたはずだという考えを示しました。
そのうえで、全米の原子力発電所で原発の電源喪失への対策を強化していることを強調し、追加的な安全強化策もことし夏までに原子力規制委員会でまとめていきたいと述べました。
また、シンポジウムを主催した「カーネギー国際平和財団」もこの日、「福島第一原発事故は防ぐことができた」とする報告書を発表しました。
報告書では、津波による影響の歴史的な分析が不十分だったと批判しているほか、ヨーロッパでは1999年、フランスの原発が洪水で外部電源を一部喪失したのをきっかけに、アメリカでは2001年の同時多発テロ事件をきっかけにそれぞれ原発の電源喪失対策が強化されたのに対して、日本はこうした対策を怠ったとしています。