東京電力福島第一原子力発電所の事故を踏まえて国がまとめた、安全対策の案について、電力会社側は、非常用の電源確保や、格納容器の損傷を防ぐための対策の中には、工事などに時間がかかるものがあるという見通しを示しました。
原発の安全対策は運転再開の判断とも密接に関わっており、国はいつまでにどのような対策を求めていくのか、十分な説明が求められます。
これは、電力各社で作る電気事業連合会が7日、国が先月まとめた30項目の安全対策の案について意見を聞くヒアリングに対し、明らかにしたものです。
それによりますと、まず、事故で問題となった非常用の電源確保の対策については、予備のバッテリーを設置するスペースの確保などに課題があるとしました。
また、格納容器の損傷を防ぐ、いわゆるベントについては、30項目の対策の中で、水素がベントの配管を逆流して爆発しないよう、配管を独立するよう求めていますが、設計から工事までに時間がかかるとしています。
このほか、事故時に格納容器が損傷し、放射性物質が漏れるのを防ぐ対策についても、200度以上の高温に耐える材料の開発が必要で、すぐに対応するのは難しいという考えを示しました。
原発の安全対策は、運転再開の判断とも密接に関わっており、国はいつまでにどのような対策を電力会社に求めていくのか、十分な説明が求められます。
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