先月、水俣病の患者認定をめ巡る裁判の2審で、国の認定基準を事実上否定する判断が示されたことについて、被告の熊本県は、「判決を受け入れると、過去にも影響が出てしまう」として、最高裁判所に上告することを決めました。
この裁判は、熊本県水俣市の溝口チエさんが、水俣病の認定の申請から21年たった平成7年になって棄却されたことを巡り、現在80歳の次男が、チエさんを水俣病患者として認めるよう求めていたものです。
2審の福岡高等裁判所は、国の認定基準から外れても水俣病患者と認められるケースもあるとして、国の患者認定基準を事実上否定したうえで、先月、女性を患者と認めるよう熊本県に命じる判決を言い渡しました。
この判決について、被告の熊本県は国と対応を協議していましたが、7日、蒲島知事が記者会見し、「判決は認定制度の根幹を揺るがし、受け入れると過去にも影響が出てしまう。原告も高齢で上告すべきかは悩んだが、行政の長としては判決を受け入れることは困難だ」と述べ、上告することを明らかにしました。
これについて、原告の溝口秋生さん(80)は水俣市で記者会見し、「認定基準を変えないやり方を続けているから、何十年も水俣病問題が終わらない。納得がいかないので最後まで闘います」と話していました。
熊本県の上告の判断について、環境省の南川事務次官は「県の判断を妥当と受け止め、支持している」としたうえで、「今の認定基準を見直す考えはない」としています。
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