有名なあの人? と思わせるような名前だが、白米にキムチとたくあんを混ぜることに由来する。10年前に塩尻市の学校給食メニューで生まれ、小中学生に人気となった。今では、市内外の飲食店やコンビニエンスストアが提供するなど「塩尻発祥の新しい名物料理」として浸透しつつある。
考案したのは、市健康づくり課の管理栄養士、上野保佐美(やすみ)さん(45)。02年夏ごろ、家で漬物を全く食べない小学生の息子2人を見て「何かに混ぜれば食べるのでは」と思い付いた。漬物は、塩分があるため大量摂取は禁物だが、野菜や発酵食品という点で健康に良いという。
作り方は簡単。具材は他にベーコンか豚肉を加え、温かいご飯に混ぜながらしょうゆやごま油で全体の味を調える。キムチの辛みとたくあんの少しの甘み、それぞれの食感が絶妙に合う。
上野さんは、子供の反応が良かったため、栄養職員として当時勤務した市立西部中の給食メニューに追加。「『嫌い』という声を聞かなかった」という。徐々に市内の小中学校に広まると、昨年2月、全国放送の民放番組が紹介して人気が急上昇した。
塩尻市の総菜・弁当販売店「惣菜(そうざい)センターひわか」は放送後すぐに商品化。同市洗馬産の白菜や米を使うキムタク弁当(税込み390円)は1日15~20食売れるという。香港から仕入れたオイスターソースが隠し味だ。おかずに塩尻発祥の鶏肉料理「山賊焼き」と卵焼きを乗せる。
古牧覚社長(52)は「一時だけのブームで終わらせず、地産地消しながら長くおいしく食べてもらいたい。無添加にこだわった」と胸を張る。
市ブランド推進室は昨年11月に「塩尻市学校給食発 キムタクごはん」として商標登録を申請した。「商標は飲食店などに無料で使ってもらい、地元のPRにつなげたい」と期待する。
セブン-イレブンジャパンは、塩尻市内14店舗限定で1月から「キムたくチャーハン」(115円)を販売。更に2月14日から松本、安曇野両市でも販売した。
惣菜センターひわかは午前9時半~午後8時半。問い合わせは(0263・53・0141)。仕出しも受け付ける。日曜・祝日定休。【大島英吾】
毎日新聞 2012年3月6日 地方版