●スリング内での心肺停止●
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Injury Alert(傷害注意速報)
★子守帯(スリング)内での心肺停止★
日本小児科学会誌の2010年10月号に上記Alertが載っていました。
スリングをご利用されている方も多いと思います。
このような事実があったことは重大なことですので記しておきます。
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事 例:生後2ヶ月、女児
傷害の種類:窒息
原因対象物:スリング
臨床診断名:心肺停止
発生状況:家族で遊びに出かけ帰りの電車内、児は母親にスリングで抱っこされていた。
兄妹にスリングを使用した経験はあるが、本児に対しては初めての使用だった。
スリングは顔を含め全身を覆うような使い方で外からは児の顔が見えない状態だった。
16:20母親がスリング内の児の入眠を確認。
16:45電車を降りた。
16:50児の体動が無くなり母親は児が寝たと認識。
17:00過ぎ帰宅。スリングから降ろした所、ぐったりしており呼吸をしていなかった。
17:09救急車要請。救急隊から心肺蘇生を指示された。
17:17救急隊現場到着。心肺蘇生を継続しながら救命救急センター搬入。
各種救急措置により一時心拍再開するも、
01:35死亡確認。
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(日本小児科学会こどもの生活環境改善委員会からのコメント)
・スリングからの転落事故、スリングによる股関節脱臼の危険性が指摘されてきたが死亡例の報告は無かった。
・2010年3月、アメリカ消費者製品安全委員会は4ヶ月未満の乳児にスリングを使用する際の窒息の危険性を
発表。この報告によると過去20年間にスリングによる乳児死亡は14件で、そのうち12件は4ヶ月未満だった。
カナダ保健省もスリング使用の際の転落事故や窒息事故に対して注意喚起を行っている。
・国民生活センター(日本)は2010年3月、過去10年間にスリングからの転落による頭蓋内損傷など
64件の事故報告があったとして注意喚起。月齢は3〜8ヶ月に多かった。
・スリングは育児用品として普及率が高い製品。
今回の事例から、こどもの顔がつねに見えている状態で使用することを周知徹底させる必要がある。
危険なスリング使用法(カナダ保健省) → 下に写真を引用します。
・未熟児、双子、虚弱体質や低体重の乳児はハイリスク。
死亡原因として、スリング内での頭頚部屈曲による上気道閉塞、体部前屈による胸郭拡張制限、体温調節異常
などが考えられるが、死因解明の必要がある。
・本事例はSIDS(乳児突然死症候群)との鑑別が必要だが、このような事例があった事実を記録しておく。
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この事故はたまたま特殊な例で、偶然おこった、というわけではありません!!
「今までスリングを使って死亡したという話は聞いたことが無い」
「このお母さんのスリングの使い方が間違っていたんでしょ」
「そんな小さなこどもを連れて遊びに行くからだ」
日本ではこのようなことを言って総括してしまうことが非常に多いのですが、これは危険な考え方です。
1つの事故があったということは、表面に出ていないだけで同様の事故は必ず発生しているはずですし、
今後も必ず起きます。また、たまたま死亡につながらなかった軽微な事例は、その何十倍もあるはず
です。スリングは使い方によっては危険だという認識を全ての人が持つ必要があります。
その上で、正しい使い方を周知徹底する必要があるのです。
母親(抱く人)が赤ちゃんに対し、このような使用をすると窒息の危険があります。
(児の顔が見えない、児の顔が体に密着する)
頭が常に上になるように、また、母親(抱く人)の体から顔が離れる
ような位置で使用してください。
スリング内で赤ちゃんののアゴと胸がくっつくような姿勢では窒息します。
赤ちゃんが母親(抱く人)に対し
上の写真のような向かい合った姿勢(顔が見えない、顔が体に密着する)にあると
窒息の危険は非常に大きいです。
母親(抱く人)は赤ちゃんの顔を常に見ることができ、
そして体から離れていることを確認してください。
スリングで抱いている赤ちゃんの上からジャケットを着てジッパーを閉めないこと!
写真の引用:カナダ保健省HP
(訳は意訳です。ボクの英語力の無さを突っ込まないでくださいね)
※スリングがいけない、危ないという話をしているのではありません!!
赤ちゃんに事故がおこらないように正しくスリングの使用をして欲しいのです。
・赤ちゃんの顔は見えてますか?
・頭が上の位置にありますか?
・首が前屈する状態だと危険ですよ!
・スリングの上から何か着ていませんか?
・4ヶ月未満には使用しない! etc
スリングで赤ちゃんを抱っこする場合は必ずチェックしてくださいね。
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お邪魔します。
切ない話ですね。
こうしたスタイルの人を良く見かけます。
はたから見ていて、窒息しないのかな?と感じていました。
こうした事故があるんですね。
2010/11/2(火) 午後 0:09
抱っこしていた赤ちゃんが亡くなっていたなんて、すごいショックですね。
スリング、使っていましたが顔を出して縦に抱っこできるようになるまで嫌がって抱かせてくれませんでした。今思うとそれでよかった。
間違った使い方してる人、結構いる気がします。
特に寒くなってくると、赤ちゃんをくるむようにすっぽり入れている人多いですよね。気をつけないといけないですね。
2010/11/2(火) 午後 0:35
スリングと言うもの自体を知りませんでした。
今後使うことがあるかもしれないし、ためになる情報を教えていただきました。
日本はこんにゃくゼリーとか、消費者の使い方(食べ方)を正しくさせようと言う前に、製造禁止とかにしてしまいがちだけど、このスリングもやっぱり便利に使われてる人もたくさんいると思うので、正しい使用法をみんなに知ってもらいたいですね。
2010/11/2(火) 午後 4:37
家の子が赤ちゃんだった時は
まだスリングは流行っていなかったのですが・・・・・
赤ちゃんには気を付けなければ
行けない事が沢山ありますよね・・・
2010/11/2(火) 午後 5:08
Kotoさん、コメありがとうございました。
切ないですよね、ママの胸の中で命を終えていくなんて。
正しい使い方をしていればこんな事故は起こらないはずなのに。
スリングの正しい使い方を啓発していければいいなぁ、と。頑張ります。
2010/11/3(水) 午後 11:09
きょ〜かままさん、どうにもやるせない話ですよね。これ。
ご指摘のように、寒くないようにという親心が窒息のリスクを高めてしまう、恐ろしい話です。ママの胸の中で死んでいくなんて、あまりにも哀しい・・・。スリングに伴う事故、減らしたいです。
2010/11/3(水) 午後 11:12
rimusaさん、スリングって要するに抱っこ紐です。
すごく便利なんだよ。赤ちゃんと生活する上で。
正しい使い方さえすれば、母子にとって最高のグッズです。
布さえあれば手作りできるし。
こんな哀しい事故が少しでも減れば、そう願い書いた記事です。
2010/11/3(水) 午後 11:14
ポポさん、乳幼児の死亡原因で一番多いのはこういったことを含めた事故です。
少子化の時代、生まれた命を守らなくてはいけませんよね。
国民生活センターも、もっと声を大きくして啓発して欲しいです。
2010/11/3(水) 午後 11:16