マウスにストレスを与えると内臓脂肪が炎症を起こすなどしてメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)と同様の現象が起きることを、名古屋大大学院医学系研究科の竹下享典講師(循環器内科)らのチームが突き止めた。7日付米・科学雑誌「ダイアベーテス」電子版に発表した。竹下講師は「糖代謝異常や血栓症は、メタボの人に限らずストレスによっても引き起こされる可能性がある」と話している。
同大によると、メタボリックシンドロームは内臓脂肪の炎症が原因で、メタボになると血中の遊離脂肪酸の濃度が上昇し、炎症を起こした脂肪細胞の数も増える。
実験で、マウス約70匹を2グループに分け、半分は普通に飼育、半分は2週間にわたり1日2時間ずつ直径3センチ・長さ10センチのプラスチック管に閉じ込めてストレスを与えた。すると、ストレスを与えたマウスは、血中の遊離脂肪酸の濃度が約1.7倍に上昇。炎症を起こした脂肪細胞の数は2~3倍に増えた。
ストレスを受けたマウスはインスリンを注射しても血糖値の下がり方が20%悪かった。【河出伸】
毎日新聞 2012年3月7日 1時53分