昨年1月に宇部市の路上で、下校途中の女子児童が包丁で切り付けられた事件で、殺人未遂の罪に問われた宇部市則貞、無職の男(24)の裁判員裁判の第2回公判が6日、山口地裁(長倉哲夫裁判長)であった。県内の裁判員裁判では初めて被害者参加制度が適用され、女子児童の父親が同被告に質問した。
前日の初公判で、犯行について「覚えていない」と主張していた同被告。女子児童の父親が、身元が特定されないよう仕切りの中から質問し、「包丁で切って殺そうとしたことについて認めるのですか」と聞くと、「やった記憶はありませんが、僕じゃないでしょうか」と答えた。「私たちに言うことは」と問われ、「事件を起こして申し訳ありませんでした」と述べると、父親が「起こしたんじゃないか」と声を荒げる場面もあった。さらに父親が「都合の悪いところだけ忘れるんですか」と問いただし、同被告が「質問の意味が分かりません」と応じると、「ふざけるな」と怒声が響いた。 |