若狭湾岸に原発を持つ関西電力など3事業者は29日、原発周辺で複数の活断層が連動して動く可能性を「極めて低い」とする評価結果をまとめ、経済産業省原子力安全・保安院に提出した。今後、専門家による意見聴取会で審議される。
保安院が今年1月、活断層の連動で大きな地震が起きる可能性を調査するよう指示していた。
3事業者は、ある活断層が動いて生じた力が別の活断層に及び、誘発されて一緒に動く可能性を調査した。若狭湾岸約20カ所の活断層について、15通りの組み合わせを考え、今後200万年に連動する可能性を計算。その結果、最も発生しやすい組み合わせで約46万年に1回、多くは100万年以上起きないとし、「連動を考慮する必要はない」と結論づけた。
活断層に詳しい岡田篤正・立命館大教授(変動地形学)によると、活断層の連動の可能性が指摘され始めたのは最近で、調査手法が確立されていないという。「過去の巨大地震で、活断層が連動して引き起こされたと思われるものがあり、最大の地震動を考えるべき原発では重要な視点だ。今後の意見聴取会で出るであろう指摘や意見をできる限り反映していくべきだ」としている。【柳楽未来】
毎日新聞 2012年3月1日 地方版