インターネット掲示板「2ちゃんねる」で覚醒剤売買に関する書き込みを放置したとして、警視庁サイバー犯罪対策課が、札幌市のコンピューター関連会社「ゼロ」の本社など約10カ所を麻薬特例法違反(あおり、唆し)ほう助容疑で家宅捜索していたことが分かった。サイバー課はゼロ社が2ちゃんねるの運営に関与していたとみて、違法情報が放置された経緯を調べている。
捜索容疑は昨年5月以降、覚醒剤0.2グラムと注射器を1万円で販売することを意味する「02-1万円+P」などという書き込みを2ちゃんねる上に長期間放置し、売買を手助けしたとしている。
サイバー課は同月、書き込みをした無職の男(54)を同法違反容疑で逮捕。2ちゃんねる側に書き込みの削除を数回要請したが実行されなかったため、昨年11月~今年3月、ゼロ社のほか、サーバー管理者とみられる関係先などを捜索した。
捜査幹部は「表現の自由を考慮して、捜査手法は慎重に考えたが、削除要請が数回にわたって無視され、結果的に実際の覚醒剤の売買につながっている点を重く見た」と説明している。
2ちゃんねるは99年に実業家の西村博之氏が開設したネット掲示板。幅広い分野と匿名性が受け、国内最大級の掲示板となった。
毎日新聞 2012年3月7日 11時37分(最終更新 3月7日 12時05分)