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2012年3月6日(火) 20:00 |
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心臓疾患と腎臓病併発メカニズム解明
香川大学医学部などの共同研究グループが、これまで謎とされていた心臓の疾患によって腎臓病を併発する仕組みを解明しました。 心臓疾患と腎臓病併発のメカニズムを解明したのは、世界で初めてです。
心臓疾患によって腎臓病を併発する仕組みについて研究を進めてきたのは、香川大学医学部の西山成教授ら国内外4つの大学の共同研究グループです。 これまで心臓に疾患のある患者の多くが腎臓病を併発するという報告はありましたが、そのメカニズムは分かっていませんでした。 ラットを使った実験によりますと、心臓の機能が低下した状態が続くと、機能回復などのため交感神経の働きが活発になります。 脳を通じて腎臓の交感神経の働きも活発になります。 これにともない腎臓に「アンジオテンシノーゲン」というタンパク質が生成され、その結果タンパク尿や腎不全を引き起こす原因となるのです。 また研究グループは、心臓疾患のあるラットに高血圧の薬を投与したり、腎臓周辺の交感神経を切断したりすると、腎臓病が併発しないことも突き止めました。 これらの研究を踏まえ西山教授は、尿検査で尿の中にある物質を調べれば、腎臓病の併発を初期の段階で見つけることも可能だと考えています。 今後、心臓疾患の患者への腎臓病の併発予防へ向け成果が期待されています。 今回の研究は、アメリカの医学雑誌に論文が掲載されることになっています。
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