オリンパスによる損失隠し事件で、警視庁捜査2課は、指南役のコンサルタント会社社長、横尾宣政容疑者(57)らが、オリンパスの損失の穴埋めに利用した国内のベンチャー3社の株式を別の会社にも高額で売りつけて数億円をだまし取ったとして、7日にも詐欺容疑で再逮捕する方針を固めた。事件で粉飾以外の容疑で立件されるのは初めて。
捜査関係者によると、横尾容疑者らは06年5月、群馬県の化学メーカーに国内3社の株式を約3億5000万円で買い取るよう持ち掛け、その大部分を詐取した疑いがある。
横尾容疑者らは03~05年、自らが管理するファンドを使って3社の株を1株当たり5万~20万円で取得し、化学メーカーには22~286倍の価格で売却したという。横尾容疑者は大手証券会社勤務時にこのメーカーを担当。メーカー側は08年3月期~11年3月期、3社の株式価値が1円しかないとして出資額の大部分を損失処理した。【前谷宏、浅野翔太郎】
毎日新聞 2012年3月7日 2時30分