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政治
【主張】大震災1年 国は責任果たしてきたか 今も続く当事者意識の欠落
被災地復興の司令塔となる復興庁は先月10日、ようやく発足した。17年前の阪神淡路大震災では、1年でほとんどのインフラや高速道路、鉄道が復旧し、百貨店なども再開された。被災地の広さなどを差し引いても、今回の国の対応の遅れを象徴している。
被災地への企業誘致の起爆剤として期待されているのは、規制緩和や税減免などの特例を認める復興特区である。しかし、政府の態勢づくりが遅れ、認定は2日現在、宮城や岩手など4件にとどまっている。
企業再建の遅れは雇用にも響く。政府は被災者への失業手当の給付を延長したが、それも今年1月から切れ始めた。厚生労働省によると、2月17日までに給付が切れた3500人余りのうち、7割以上が再就職できていない。民間の人材紹介会社を活用するなど、官民挙げた支援が欠かせない。
東京電力福島第1原発の事故対応は、今も文字通りの苦しい闘いが続く。
事故から9カ月後の昨年12月、野田佳彦首相は「原子炉が冷温停止状態に達した」として、事故の収束に向けた工程表第2ステップの完了を宣言した。押さえ込みに成功し、測定される放射線量は大幅に減った。
非常事態規定を急げ
しかし、半径20キロの警戒区域を中心とした約16万人もの避難住民の帰宅や、原子炉の廃炉作業など課題は山積している。
除染に伴う汚染土壌などの中間貯蔵施設建設問題も、できるだけ早期に決着させるべきだ。政府は福島県双葉郡内の自治体首長や住民にその必要性を訴え、理解を求める必要がある。
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