欧州自動車市場取り巻く状況は困難、各社で明暗
[ジュネーブ/ロンドン 6日 ロイター] 6日に開幕したジュネーブ国際自動車ショーでは、欧州自動車市場で各社の明暗が分かれつつあることが浮き彫りになっている。
欧州自動車業界は、市場の低迷を背景に激しい価格競争などに直面しているが、メーカーによって痛みの程度はさまざまだ。高級車への需要は大衆車よりも底堅く、北米や新興国からの需要を他社より享受できているメーカーもある。
日産自動車(7201.T: 株価, ニュース, レポート)は6日、英サンダーランドに2億ドルを投じ、2013年から新たなコンパクトカーを生産する計画を明らかにした。これにより、サンダーランド工場の従業員は600人増え6000人となる。
英国政府からも1500万ドルの事業投資援助を受け、日産とサプライヤーで合わせて2000人の雇用が生み出されるという。
サンダーランド工場の年間生産台数は50万台で、「キャシュカイ」や「ジューク」を生産している。新コンパクトカーについては当初、年間10万台の生産を目指している。
また、独フォルクスワーゲン(VW)(VOWG_p.DE: 株価, 企業情報, レポート)のウィンターコーン最高経営責任者(CEO)は、今年初めの出荷が好調だったことを踏まえると、販売台数で世界最大の自動車メーカーになるという長期目標の達成が可能だと確信していると述べた。
独BMW(BMWG.DE: 株価, 企業情報, レポート)も今年のグループ販売台数が増加するとの見方を示し、中国やインドの販売増などが欧州の不振を相殺する見通しだとした。
VWの高級車部門アウディの販売責任者は自社の販売見通しについて、4%と予想されている世界の自動車販売の伸びを上回ることが可能との見方を示した。
一方、フランスのPSAプジョー・シトロエン(PEUP.PA: 株価, 企業情報, レポート)はGMとの包括提携に伴う10億ユーロ(13億ドル)の増資条件を発表。割当価格が前日終値から42%の大幅なディスカウントとなることを明らかにし、欧州に重点を置く大衆車メーカーが直面する苦境が浮き彫りになった。
仏ルノー(RENA.PA: 株価, 企業情報, レポート)は、欧州のメーカーがより収益性の高い市場を域外に模索するという状況を浮かび上がらせた。ルノーは欧州以外の市場が同社の売り上げ全体に占める比率は2014年におよそ50%になるとの見通しを示した。今年については47%と予想。10年前は17%にとどまっていたが、近年、海外事業を強化している。
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