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【独占インタビュー】倉本裕基 「アーティスト同士のレベルで日韓交流を深めていきたい」
2007年7月25日19時54分配信
“韓国で最も影響力のある日本人”ニューエイジピアニストの倉本裕基が、初の韓流アルバム『ユア・フェイバリット・ソング』をリリースする。
“Yuhki Kuramoto”として知られる倉本裕基は、98年以降、韓国で11枚のアルバムをリリース。計140万枚を売り上げ、アルバムはいずれも総合ヒットチャートのトップ10にランクイン。毎年行われている韓国公演は常に満席となり、“韓国のアカデミー賞”大鐘賞(テジョンサン)映画祭では、ピアノ奏者としてのゲスト出演やプレゼンターを担当するなど、まさに「韓国で知らぬ者のない」超有名ピアニスト。
『霧のレイクルイーズ』『哀愁のセーヌ』『ロマンス』といった代表曲は、いずれも『冬のソナタ』を始め、ペ・ヨンジュン主演ドラマ『愛の挨拶』『パパ』『初恋』、イ・ビョンホン主演映画『甘い人生』といった韓国ドラマや映画で使用されており、最近では、オペラ歌手チョ・スミのために書き下ろした『愛の記憶』が、時代劇『朱蒙』の挿入曲となっている。
-韓国で活動されるようになったきっかけを教えていただけますか。
倉本
「韓国側のレーベルから、僕のアルバムを発売したいというお話をいただきまして。1998年から、日本音楽が韓国に入り始めたのですが、当時はまだ日本語が解禁されていなかったんですね。それで、日本語歌詞のないインストゥルメンタルのアルバムが先に発売されるようになって、僕のアルバムもその時にリリースされました。それが非常に好評だったんです。」
-映画やドラマのサントラではなく、オリジナルアルバム、ということですね。
倉本
「はい。日本では、韓流ドラマが流行ったことから、“ドラマの挿入曲で人気が出た”と思われているようなんですが、実は関係なくて、日本でリリースしたオリジナルアルバムが、韓国盤として発売されただけなんですね。それが、知らないうちに(ドラマや映画に)使われていることもあったようですが。名前は出ていないんですけどね(笑)
純粋に音楽…“倉本裕基という人間の音楽”そのものを楽しんでもらえたというのは、珍しいことだと思いますし、韓国の方に非常に感謝しています。」
−イ・ビョンホンさん主演の映画『甘い人生』でも、『ロマンス』という曲が使われていますよね。
倉本
「『ロマンス』は、もともと僕のファンの間ではよく知られた曲なので、キム・ジウン監督から打診がありました。アレンジして映画に使いたいということで…。普通、映画音楽というのは撮影後につけるものですが、『甘い人生』の時は現場で曲を流しながら撮影したそうで、“非常に気分がのって撮影できた”と、イ・ビョンホンさんに喜ばれました(笑)」
−『ユア・フェイバリット・ソング』にも収録されている『愛の記憶』は、もともとチョ・スミさんのために書き下ろされたそうですが。
倉本
「はい。韓国で演奏会を始めてから10年近くになりますので、最近はゲストに呼ばれることも多くなり、そこでチョ・スミさんとお会いしたり、シン・スンフンさんとも知り合いました。ただ基本的には、韓国でもソロ活動ですよ。オーケストラは一緒だったりしますけど。」
−大鐘賞映画祭でも演奏されたそうですが、何かエピソードは…。
倉本
「昨年の大鐘賞ではイ・ヨンエさんにお会いしたのですが、僕の曲を聴いている、楽譜を買って練習していると言って下さって、とても嬉しかったですね。聴いてくれているだけでも嬉しいですが、練習してくれている、というのが嬉しいじゃないですか。今年は、プレゼンターとしてパク・ソルミさんとご一緒しました。」
−韓国の歌手や俳優さんで、親しくされている方はいらっしゃいますか?
倉本
「仕事場以外でもお会いする人といえば、シン・スンフンさんですかね。一緒にワインバーやカラオケに行ったりしたこともあります(笑)。 彼はすごい人。歌というのは、1曲や2曲作るだけなら素人でもできる。いい曲をずっと作り続けるのは大変なことなんですが、彼はそれができている。これは大変なことですよ。」
−『ユア・フェイバリット・ソング』について教えて下さい。
倉本
「2003年に出したアルバムに、『マイ・フェイバリット・ソング』というのがあるんですね。海外の映画などの有名な曲、スタンダードナンバーをアレンジして演奏し、収録したものなんですが、今回は、それを日本のファンのために、韓国の音楽で演奏したという感じです。
例えば、『シューベルトのセレナーデ』、これはクラシックのスタンダードですが、ドラマ『夏の香り』で使われたものですし、『愛しのクレメンタイン』は『春のワルツ』で使われています。」
−選曲にあたっての基準などを教えていただけますか。
倉本
「結果的にそうなったのですが、自分が接したことのある人、実際に僕が伴奏したことがある歌手の方の曲ですね。Ryuさんやシン・スンフンさんとは、何度かご一緒していますし。色んな方と交流が増えつつありますね。他の人の曲を編曲するというのは緊張しますね! 手が抜けない…いや、もともと抜いてませんけど(笑)。バンドではなくピアノソロでの演奏ですから、その歌のファンが聴いたら少しシンプルに感じるかもしれませんが、純粋にピアノ曲として楽しんでいただけると思います。」
−ぜひ聴いてほしいという、お勧めの曲は。
倉本
「それはもちろん、作曲家の立場としては自分で書いた曲(『優しい想いは果てなく』)です(笑) でも、どの曲も、お好きなように楽しんでほしいですね。」
−現在は、どのくらいの割合で渡韓されているのでしょうか。
倉本
「年に2〜3回くらいですね。基本的には春や秋に、コンサートツアーをやっています。クリスマスの時分にやったこともあります。今年は5月に3週間の全国ツアーをしました。来年は夏にやろうかと。韓国でコンサートを始めてから10周年になるので、ちょっと盛大にやろうと思っています。」
−最初と今とでは、韓国に対する印象は変わりましたか?
倉本
「僕としては全然変わりません。初めていった時も盛大に歓迎してくれましたし、今もそうですし…ただ、99年頃は、公の場、つまりテレビとかラジオとかでは、一切日本語で話さないように言われました。ところが年々ゆるくなってきて、最近はもう日本語で話しても良いようです。日本語の歌も解禁されましたし。
むしろ、日本の方が韓国に抱いている感情が変わったように思います。韓流ブームのおかげで、日本の人々が韓国の文化を受け入れるようになった…それが一番、劇的な変化じゃないでしょうか。2003〜4年を境に、僕を取り上げてくれる記事や番組も増えて、日本の大都市以外の地方でもコンサートができるようになりました。」
−韓国と日本のファンの違いは?
倉本
「韓国のファンは皆さんお若いですね。20歳以下です。2000年くらいまでは皆ずいぶん年の差はあるのに、“オッパ(お兄さん)”って呼んでくれたんですが、それがだんだん“アジョシ(おじさん)”とも呼ばれたり…この間、小学生のファンがくれた手紙を見たら、“倉本ハラボジ(おじいさん)”になってました(笑)。日本のファンは、やはり韓流ドラマをご覧になって知って下さった年配の方が多いですね。紅白歌合戦でRyuさんの伴奏をやったせいもあると思いますが。」
−日韓で、音楽業界に違いはありますか。
倉本
「韓国は、良い音楽だと思えば良いと言ってくれます。流行っていたり有名であっても、自分が良く思わなければ良いとは言わない。その代わり、自分が良いものだと思えば、日本人の曲でも聴いてくれます。日本は、まずドラマの主題歌やタイアップ曲から人気が出るパターンが多いのかも知れません。韓国の方が、純粋に音楽を受け入れてくれる土壌が残っているような気がしますね。」
−今後も韓国で活動されるにあたって、何か抱負など…。
倉本
「アーティスト同士の親交を深めていきたい。日本も韓国も、音楽業界は色々複雑で、アーティストがやりたくてもできないことが増えている。なので、アーティスト同士のレベルで、日韓交流を深めていければと思っています。」
倉本裕基、初の韓流アルバム『ユア・フェイバリット・ソング〜倉本裕基/マイ・メモリー』には、表題曲『マイ・メモリー』(『冬のソナタ』/Ryu)のほか、『I Believe』(『猟奇的な彼女』/シン・スンフン)、『Good Bye』(『美しき日々』/Zero)など、全13曲を収録。8月22日に発売される。
2007.07.18 都内にて
倉本裕基オフィシャルホームページ :
http://www.crownrecord.co.jp/artist/kuramoto/
Copyrights(C)wowkorea.jp
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