【ワシントン海保真人】イスラエルのネタニヤフ首相は5日夜、ワシントンで開会中のイスラエル系ロビー団体「アメリカ・イスラエル広報委員会(AIPAC)」の会合で演説し、イランの核武装化について「イスラエルは根気よく国際社会による外交的解決を待っていたが、これ以上は待てない」と語った。
首相は「イスラエルが何をするかは絶対に言わない」と前置きしたうえで、「国際社会は過去10年間、外交を試み、過去6年間、制裁を試みたが、効果はなかった」と述べた。さらに「オバマ米大統領による最近の制裁強化にもかかわらず、イランの核計画は引き続き進展している」と懸念を表し、独自の軍事攻撃の可能性をほのめかした。
ネタニヤフ首相は事前に行われた5日のオバマ大統領との会談内容については語らず、米国の同盟関係に感謝しつつ、「イスラエルは常に自衛権を保持せねばならない」「イランの核武装化を止めねばならない」と繰り返した。
米国で屈指のロビー団体であるAIPACの年次会合には大勢の米上下院議員も出席、会場は約1万3000人のユダヤ系米国人らで埋まった。
毎日新聞 2012年3月6日 19時49分