伊賀市立上野総合市民病院の三木誓雄院長は5日の市議会で、外科の救急医療を新年度から、常勤医だけで実施する方針を明らかにした。外科と放射線科の医師各1人が4月に着任するという。外科系の常勤医は1人増えて6人となり、体制が整った。他病院からの応援が不要となることから、コストが下がり病院の赤字削減につながるという。【伝田賢史】
同病院の赤字財政を質した中井洸一市議(爽風クラブ)に答えた。今年度の市病院事業会計は、一般会計からの繰出金(補助金)や水道事業会計からの貸付金として計約17億円が支出される。それでも、2億7700万円の赤字が見込まれ、新年度当初予算案でも一般会計からの繰出金として4億7500万円を計上している。
三木院長は昨年就任し、手術室の設備が20年以上前の自身の研修医時代のままだったことに驚いたという。答弁で「まだまだ老朽化した設備があり、投資をしなければならない。お金をけちっては良い医療はできない」と指摘し、施設の整備に必要な支出増への理解を求めた。
医師2人の確保で、常勤医は13人から15人に増える。内保博仁市長は答弁で「04、05年ごろの市民病院は医師が25人ほどおり、200人の入院患者を受け入れていた。当時と同程度のスタッフがそろえば、必ず経営は改善する。引き続き医師確保に取り組み、市民病院の再生を図る」と決意を述べた。
〔伊賀版〕
毎日新聞 2012年3月6日 地方版