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東日本大震災:福島第1原発事故 詳細線量地図を公表 双葉で毎時89.9マイクロシーベルト--中間結果

 東京電力福島第1原発事故の除染に取り組む環境省は24日、国直轄で実施する「除染特別地域」(福島県の11市町村)を対象にした詳細な放射線量調査の中間結果を公表した。同地域を線量によって3区分し、除染計画を立てるための基礎データとする。調査範囲での最高値は福島県双葉町山田の毎時89・9マイクロシーベルト(自然被ばくを除いた年間追加被ばく量は472・3ミリシーベルト)だった。

 汚染状況の把握はこれまで主に文部科学省が担当。航空機で上空から測定したデータを基に、直径600メートルの範囲の平均値を線量としていた。今回の調査はより詳細で、測定器を載せた自動車を走らせたり実際に人が測定するなど地上での測定に基づき、100メートル四方の線量分布が確認できる。昨年11月~今年1月の実測値と文科省や内閣府のデータを総合し、計約125平方キロメートルの線量分布図を作製した。

 環境省は1月に公表した除染工程表で、原発20キロ圏内の警戒区域と、その周囲の計画的避難区域からなる除染特別地域を線量に応じて3区分し、それぞれに適した除染を進めるとした。今回の調査結果を基に、3区分の境界を特定する。

 環境省は3月中に最終結果をまとめる。中間結果は環境省のホームページ(http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=14870)で見られる。【藤野基文】

毎日新聞 2012年2月25日 東京朝刊

 

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