津波の被害を受けた岩手県の中学校の油絵の修復作業が行われている三重県立美術館で、修復された油絵の展示が始まりました。
津市にある三重県立美術館では、去年12月から、津波の被害を受けた岩手県陸前高田市の広田中学校に飾られていた油絵の修復作業が行われています。
油絵は、岩手県ゆかりの画家が描いた風景画など4枚で、これまでに3枚の修復作業が終わり、震災からまもなく1年になるのを前に6日から展示が始まりました。
油絵は津波で水につかったため、絵を描いた布がよれたり、カビや泥などが付着したりしていました。
美術館の担当者は、手作業で新しい木枠に張り替えたり、カビなどを隅々まで取り除いたりしたということです。
会場には、学芸員が綿棒を使って細かなカビを取り除く様子など、作業の過程を紹介する写真パネルなども展示されています。
三重県立美術館の田中善明学芸普及課長は、「絵を修復することが被災地の日常を取り戻すことにつながる。被災者の力になればいい」と話していました。
この展示会は、今月11日まで行われ、美術館は油絵4枚すべての修復作業が終わりしだい、広田中学校に渡すことにしています。
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