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被災者への長期支援巡り議論

3月6日 20時5分

被災者への長期支援巡り議論
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被災者の支援を長期的に行っていくための課題などについて話し合う会議が岩手県大槌町で開かれ、被災者の支援活動をしている団体からは活動資金やボランティアの確保などの課題が指摘されました。

支援団体が活動を続けるには

会議は、全国700以上の被災者支援の団体が参加する「東日本大震災支援全国ネットワーク」などが開きました。
会議ではまず、震災のあとに設立された岩手県内の支援団体などが活動を続けていくうえでの課題を報告しました。
大槌町で地元の被災者を従業員として雇い、食堂の運営などをしている団体は、行政からの支援について「いずれ補助金が切れるときにどう自立するかが課題だが、活用している行政の支援制度としては利益は返還しなければいけない現実があるので、違う仕組みのものがあればもっと先に進めると思う」と訴えました。
また、去年7月から宮古市で被災者の話し相手になるなどのボランティア活動をしている団体は、「激減しているボランティアの確保のための広報や、安定した活動資金の確保が課題となっていて、ほかの団体と情報を共有するなどの連携を図っていきたい」と活動を続けるなかで見えてきた課題を説明しました。
このあと意見交換が行われ、被災者に必要な支援のニーズをどうつかむかについて意見を出し合ったり、今後の情報交換を約束したりするなどして交流を深めていました。

“現状では独立難しい”

大槌町の「おらが大槌夢広場」は、町に雇用とにぎわいを取り戻そうと去年11月、地元の自営業者らが結成し、食堂の運営や観光客などを呼び込む被災地のツアーなどを企画しています。
食堂は被災者11人を従業員として雇用し、地元の食材を使ったメニューなどが人気で、活動の柱になっています。
団体ではいずれ食堂を独立させたいと考えていますが、活用した国の緊急雇用創出事業では、利益が出た場合、補助金の返還に充てなければならないため、このままでは開業資金を蓄えられず、独立は難しいとしています。
代表の阿部敬一さんは「手応えは十分あります。頑張っている人たちがどこかのタイミングで起業を決めたときに、利益が手元に残らないということが残念な制度だと思う。震災前もあとも同じ制度だと思うが、震災前とは違う制度があってもいいと思う」と話しています。