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震災後“閉じこもりがち”25%

3月5日 17時52分

震災後“閉じこもりがち”25%
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東日本大震災から1年になるのを前に、NHKが仮設住宅などに暮らすおよそ600人にアンケートを行ったところ、4人に1人は外出する機会が週に1回以下と閉じこもりがちになっていて、こうした人のほとんどが心身の不調を訴える深刻な状況にあることが分かりました。

NHKは先月、東日本大震災で特に被害が大きかった岩手、宮城、福島各県で被災し仮設住宅などに暮らす609人にアンケートを行いました。
この中で外出の機会を尋ねたところ、「週に1回程度」が18%、「ほとんど外出しない」が6%で、およそ4人に1人は、外出する機会が週に1回以下で閉じこもりがちになっていることが分かりました。
震災前の外出の回数と比較すると、外出が「週に1回程度」の人は8ポイント増えておよそ2倍になり、「ほとんど外出しない」人も4ポイント増えていました。
理由は、「特段用事がない」が32%、「外出する気が起きない」が19%、「仕事を失った」が14%、それに「近所に友人がいなくなった」が10%などとなっています。
また、仮設住宅などに閉じこもりがちの人のうち「よく眠れない」や「気分が沈みがち」など心身の不調を訴えた人は91%に上ることが分かりました。
これについて、被災者の健康調査に当たっている東北大学の辻一郎教授は「外出が減ることで、足腰が弱ったりふさぎ込みがちになってうつ状態になったりするおそれがある。例えば、被災したお年寄りに一定の報酬を出して世話役をしてもらうなど、外出の機会を意識的に作ることが重要だ。また、外出する気になれない状態が続く人は我慢せずにカウンセラーなどに相談してほしい」と話しています。